つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

日本農業、企業化進むのは良い傾向

 今日の日経新聞を見ると、最近の日本農業は家族経営でなく、会社組織的な運営が増えているとの記事が出ていました。企業が参入して、農業就業のサラリーマンが22万人にもなっているとのこと。TPP加盟などで今後、農業も大いに国際競争力が問われる時代になるだけに、こうした企業化の方向は望ましいのではないかと小生などは考えています。
 前にも書いたことがあるけど、日本の農業って、一部の農家や農協が言うように決して悲観したものではありません。かつてオレンジの輸入が自由化されたとき、日本のミカン農家が大打撃を受けると農協が反対しました。オレンジは今自由に入っているようですが、ミカン農家はつぶれていませんし、むしろ昔より増えているのでは。
 同じように、小生が山形で地方記者をしていたとき、米国産のサクランボが自由化されるということで、サクランボ産地である山形の農家と農協は大反対しました。でも、あのどす黒い米国産は今、マーケットでほとんど見かけません。むしろ、高級感のある日本産の方が確実に消費者の心をとらえ、存在感を増しています。
 コメも自由化されると大変だなどと、ウルグアイラウンド決着のとき、あれだけ騒いだけど、日本産のコメはその後ブランド化し、心配する状況になっていません。コシヒカリササニシキなどは中国人などに大うけですし、小生の知り合いの西アジアの人も「やはりインディカよりジャポニカの方がいい。特に日本のコメはうまい」と話しています。
 となると、農産品の自由化を怖がることはない。怖がっているのは、政府の補助金をせしめながらいい加減にやっている三ちゃん農家と、個々の農家に農機具や種、肥料などを売りつけてその産品の流通を一手に握ろうとする農協だけなのです。自慢の農作物を持つ農家はそれをブランド化したり、自主流通させたりしているので、十分な収入を得ています。彼らはむしろ自主流通を妨害する農協こそガンだと思っているのです。
 農業が企業化すれば、当然政府の支援なしの経営、利益の出る農業を目指すでしょうから、望ましい方向です。農業は本来、生物の生存には欠くことのできないものですから、絶対的な生産価値を持つ。「第一次」などと言われるだけに、後進的な産業ととらわれがちですが、とんでもない、素晴らしい将来性のある産業です。
 植物工場があるように徐々に第二次化し、しかも労働集約型のイメージはなくなっています。温帯地域にある日本はまた、この産業に適しています。TPPをこれ幸いに世界に打って出て、大いに儲けようとの気概が必要ではないでしょうか。


 上の写真は、信州・上田市内にある名物蕎麦屋「草笛」の店頭とそば打ち風景。