つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

安保条約第5条より自らの防衛意志

 安倍首相が訪米、トランプ新大統領の別荘に泊まってゴルフしたり、何度も食事を一緒にしたりして、親しい関係になった由。必要以上に握手し、ハグするなどの場面もあり、ちょっと気持ち悪い感じもありましたが、まずは日米同盟が何よりも大事とする我が国の立場からすれば喜ばしい結果であったと思います。
 たまたま、両首脳がフロリダ滞在中に、北朝鮮がこれ見よがしに中距離弾道ミサイルなどを日本海にぶっ放したのですが、その際に2人はそろって記者会見場に現れ、北朝鮮のやり方を非難し、「容認しない」と強いメッセージを発したことはそれなりに意味があったと思います。それにしても、北朝鮮のやんちゃぶりも度が過ぎますが、、。
 ところで、マティス国防長官が来日した時もそうでしたし、今回の首脳会談でもそうでしたが、日米会談をすると、必ず持ち出されるのが尖閣諸島防衛に関する日米安保条約第5条の遵守問題。第5条とは、「日本国の施政権下にある領域」で武力攻撃があった場合、日本と米国が「共通の危険に対処するよう行動する」ことを約束したものですが、日本側はいつも米国側に条文遵守を明確にしてほしいと要求します。
 この要求を聞くたびに、小生は「なんで」と思うと同時に、恥ずかしい気持ちがしてなりません。日本という自らの国土を守るのに、どうして必要以上に米国の意向を気にするのか、自分たちがまず戦うという強い意思を示すのが先ではないか。他人に頼るのは自らの意思を示したあとの話だろうといつも思うのです。
 小生が担当している私大の国際関係論の授業で、「外国が日本に攻めて来たら、君はどうする?」と聞いたところ、ある学生は「米軍に任せます」との答え。さらに、小生が「じゃ、米軍が助けてくれなかったら、どうする?」と聞くと、「外国に逃げます」と言うのです。「いったい、祖国を捨てて君はどこに逃げようと言うのか」と思わず、ため息交じりにと問いかけてしまいました。
 前半の部分はともかく、自分の国が侵略された時、逃げるという発想しかできないことに空恐ろしさを感じました。それ以降、この授業では「君は独裁国家と自由と民主主義の国とどちらが好きか。選挙もない独裁国家に日本が侵略されてもいいのか」「父母、兄弟、家族が住む国が他国に支配され、奴隷国になってもいいのか」などと語りかけています。
 逃亡志願の発想は、小中高の学校教育で、なんでも一緒くたにして「戦争反対」などと叫ぶ教師の悪しき影響を受けた結果だと思います。戦前のような侵略戦争は金輪際許されませんが、日本は今逆に、領土・領海秩序を変えようとする周辺国の脅威にさらされているのだということを認識しなければなりません。それを教えようとしないのは侵略国の手先、第五列です。
 ですから、米国との話し合いで安保条約第5条遵守などをことさら大きく取り上げる必要はなく、われわれは自らの国土を自らの力で守るんだという意思を米側に明確にし、その上でできれば米側の支援をお願いしたいというような発言が望ましいのだと思います。

 上の写真は、JR西千葉駅近くの住宅の塀に使われている万両か千両で、真冬にあでやかさな色を誇示しています。西千葉には小生がかかわる奨学金財団があります。