つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

プロ野球と豪州チーム、”ラベル”が違う

 冬季オリンピックが終わったが、まだ3月初め。プロ野球高校野球、大相撲など恒例のビッグなスポーツイベントは始まらない。そんな端境期を狙うように、テレビ局かスポーツ団体かは知りませんが、ちゃんとイベントを用意してくました。プロ野球選抜軍とオーストラリア・ナショナルチームとの国際試合です。WBCほど名誉がかかったものでなく、言ってみれば単なる練習試合なのですが、それでも連夜にわたって見てしまうのは、春を告げる野球ゲームの到来が待ち遠しいのと、いささかの愛国心があるからかも知れません。
 それにしても、オーストラリアチームとは国際的な評価、すなわち”ラベル”が違うだけでなく、実際にレベルも違いすぎました。忌憚なく言えば、プロ野球が台湾、韓国リーグの下位チームか、日本の地方リーグのチームを相手にしているような感じ。明確に違うのは投手力の差です。日本側のどの投手も素晴らしかったのですが、特に1戦目の千賀、2戦目の則本のピッチングは圧巻でした。
 則本は推し測ったように、決め球としてアウトローに速球を投げていました。コントロールの良さとスピード。これが彼の持ち味で、年間脱三振王に輝かせている理由ですが、こうした技術を持つピッチャーは恐らくオーストラリアリーグなどでは空前絶後でしょう。楽天ファンとしては、岸、美馬とともに今年も三本柱で頑張ってくれるだろうとの期待が大いに膨らみました。
 バッターもオーストラリア側に見るべきところは何もない。何しろ2戦とも三振のオンパレードで零封なのですから。一見したところ、皆、日本の二軍以下、メジャーでも3A以下の選手ばかりです。逆に、日本チームの選手は2ストライクを取られた後、臭い球はファールにして、簡単に三振にならない。ノーアウトで一塁に出たら、確実に次打者はバンドで送るという戦法も徹底されていました。
 こうして作ったチャンスで見事に適時打を打ったのが西武の秋山でした。彼はイチローを抜いて年間最高安打数記録を持つ選手ですから、もともとバットコントロールは抜群。今回も情況に応じて左右に打ち分け、ヒットにしてしまう技術は実に素晴らしかった。しかも守備面でも、俊足を生かしてオーバーヘッドの球を後走してキャッチするなどプロの技を見せてくれました。
 ですから、見ている方は安心して見ていられますが、それだけにハラハラドキドキがないつまらなさも実感できました。こんな横綱十両を相手にしたような稽古試合などやってもしょうがないのではとも感じましたが、でもやはり見てしまうのは国際試合故でしょうか。どこかに愛国心が頭をもたげてきて日本チームを応援したくなってしまうのです。

 上の写真は、横浜・伊勢佐木町モールにある高級品専門店上のゴジラ