つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

北朝鮮の信頼醸成措置が注目点

 昨年暮れまで、「私の手は、核ミサイルを発射するボタンの上に置かれている」などと”最高級”の脅し文句を使い、今にも戦争を始めそうな素振りを見せていたあの北朝鮮の青年独裁者が、どうとち狂ったかは分からないですが、年明けから韓国平昌オリンピックへの参加を表明し、突如平和攻勢に転換したのです。なんと今日のニュースでは米朝首脳会談もあるとか。このすさまじい変わりようって何なんだ。どういう理由なんだと思わず聞きたくなってしまいます。
 独裁の国の統治では、平平凡凡と続く日常は駄目。絶えず国民を緊張させたり、弛緩させたりの激しい繰り返しで精神を高ぶらせておくことが必要であることは分かっていますが、それにしても北朝鮮のやり口はちょっと極端すぎます。核ミサイル発射ボタンの上にあった手がどうして一夜にして、オリーブの平和の樹を頭に載せる手に変わってしまうのか。
 アナリストは、北朝鮮への経済的な制裁が徐々に効いてきたことをその理由に挙げています。確かに、制裁は理由の一つになるでしょうね。衛星や航空機による上空からの監視があって、北朝鮮船が秘密裡に他国から物資を受け渡されるのが不可能になりました。中国、ロシアも国連の決議である以上、大々的に制裁破りができない状態ですから、北朝鮮は今、本格的に制裁のブローを受けていることは間違いない事実だと思います。
 米国と日本はこれまで何度もだまされてきたことを知っているので、そう簡単に制裁解除に応じない。となると、刈り上げ君はもともと親北の韓国大統領ムンジェインに頼るしかないのです。オリンピックを奇禍として実妹を”だし”に使いうまくムンジェインに取り入りました。その韓国からさらに米国を説得させ、首脳会談へとつなげたようです。
 北朝鮮の刈り上げ君が求めるのはただ一つ、今の唯我独尊の独裁体制を維持したいということでしょうが、よくよく考えれば、周辺の国で北朝鮮が崩壊してもいいと思っている国はどこにもありません。中国、ロシアは「統一大韓民国」になって自らの国境線近くに米軍の勢力及ぶことを望みませんから、韓国による統一に反対です。
 日本は、朝鮮半島全体が一つの国になって日本に圧力をかけてくることが嫌だし、韓国自身、ドイツの先例を見るまでもなく、統一コストで膨大な金がかかることを恐れています。統一に前向きなのは独り米国だけでしょうが、その米国も「アメリカ・ファースト」です。きな臭さなければ、つまり、刈り上げ君が米国への挑発的な言動を控えさせすれば、トランプ大統領朝鮮半島の政体などどうでもいいと思っているはず。北朝鮮が独裁体制を維持したいというのから、他国に迷惑をかけない程度に勝手にやってくれといった感じでしょうか。
 ただし、米朝話し合いの前提になるのが朝鮮半島の非核化で、これをどう実現させるかが問題です。これまでだまされ続けてきただけに米国としても、きちんとした担保を取ることが必要ですが、刈り上げ君はこの米側の信頼醸成措置要求にどれだけこたえていけるかが注目されます。


 上の写真は、三軒茶屋にあり、ウイークディー昼飯時には行列ができる有名なインドレストランの店内。