つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

制度より、血の濃さ、民族の統一が大事か

 清少納言は「枕草子」で「げにすさまじきもの」と前触れして面白い寓話を紹介していますが、世の中には現代でもそんなものが数多いようです。「すさまじきもの」と言うよりむしろ、「げに情けなきもの」「理解不能なもの」とする方が適切なのかも知れません。その代表例が民主主義国家・韓国のムンジェイン大統領の行動。一般大衆の選挙で選ばれた大統領なのに、驚くほどに独裁国家北朝鮮贔屓なのはどうしてなのか。自国の漁船民が殺されても、そのニュースの公開を北朝鮮に遠慮してしばらく伏せたというのですから、あきれてものが言えません。

 北朝鮮との国境線に近い韓国北西部にある小延坪島付近で、韓国の漁業指導船に乗っていた公務員が今月21日、行方不明になりました。この男性はどうも自分の持ち物を船中に置いて海中に入り、板切れようのものにつかまりながら国境線付近へ。そのラインを越えたところで北側に銃撃され、死亡したことが、つい昨日時点で分かりました。なぜ北に向かったか、男性の目的は不明です。韓国当局は、男性が「北に亡命しようとした」ということで、不名誉なニュースを伏せたかったから、行方不明の時点では発表しなかったようです。

 でも、まがりなりにも行方不明男性は公務員であり、まだ海中に入った真相は分からないのですから、行方不明で即公表すべきだし、射殺されたと知った以上は、断固反発して然るべきかと思います。ですが、韓国当局はおざなりの抗議で済ませています。いったいどうなっているのか。どんな遠慮があるというのか。そう言えば、韓国領土の延坪島では、かつて李明博大統領の時代に、北側から一方的に砲撃されたこともありましたが、すぐにめぼしい反撃はしていません。

 今年8月にも、ムン大統領は、脱北者が韓国から北朝鮮に飛ばす宣伝ビラを止められなくて、事実上の北朝鮮のナンバー2にのし上がった、刈り上げ君の妹君・金与正から「ゴミ」だとか「傀儡逆賊輩党」だとか悪態の限りを尽くされていました。30歳やそこいらの”小娘”に開城の南北共同事務所ビルを爆破された上に、ゴミ呼ばわりされても一言の反論もしない。反論、反撃しないどころか、食糧援助までして相変わらず機嫌を取って、すり寄っています。異常人種としか言いようがない。

 そのくせ、やれ慰安婦だ、やれ徴用工だ、やれ旭日旗だとか、日本に対するいちゃもんは付け放題です。これには、さすがに温厚な日本も怒ります。通貨スワップ協定はもう結ばないでしょう。この協定は国際通貨を持たない韓国にはぜひ必要な措置ですが、日本には何のメリットもない。さらに、韓国企業が貿易に必要な信用状(LC)は、実は日本の銀行が信用保証しています。もし日本の銀行が裏書きを止めてしまえば、韓国企業はLC決済ができません。そんなことを知っていながら、韓国政府は経済上一番重要な日本をよく”敵”にできるものです。理解に苦しみます。

 理解不能のもう一つの例は、中国大陸の独裁国家が民主主義の台湾地域を「我が領土」だと言って無理やり侵攻、併合しようとしていることです。彼らの併合の理論的基礎は同じ中華民族だからとのこと。でも、血が同じ、近いからとの理由だけで、民主主義の良さを知った台湾住民がどうして独裁国家の軍門に下ることができるのか、どうして民主的な政治制度を放棄できようか。

 台湾が蒋介石総統の国民党独裁政権時代であったならば、まだ大陸、台湾の独裁政権同士の話し合いの余地はあったでしょう。でも、今は互いに制度が違う。台湾の現政治制度は、われわれが最良と考える自由と民主主義、人権を尊重する制度なのです。ですから西側諸国の人間が端的、単純に見れば、「独裁」が「民主主義」を抑えつけようとする横暴さはまったく理解できないし、許せないのです。中国人民にしても、対外的には拡張主義、国内的には管理統制主義の独裁政権によく従順でいられるものです。それも不思議です。

 朝鮮半島でも同じことがいえるのですが、制度より血の濃さ、同じ民族の統一性を重んじる方がそんなに重要なことなのでしょうか。同じ民族であれば、自由、民主より自由のない独裁国家の方を取るのでしょうか。今、ムンジェインはそういうところが見られますが、台湾住民、蔡英文総統にはありません。これ一つ取っても、日本にとって韓国、台湾、どちらと友情を育めるか、一目瞭然です。

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 上の写真は、神戸に住む友人がSNSネットで送ってきた大盛のちゃんぽんの写真。加古川にあるそうです。胃のない小生は食べ切れません。