つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ボルソナロ、トランプの真似してどうする?

 実におかしな現象であり、しかも2つの事件が酷似していたので、思わず笑ってしまいました。今月8日、ブラジルの首都ブラジリアの国会議事堂に、ボルソナロ前大統領を支持する集団が暴力的に乱入したこと。どうやら、ボルソナロ支持者は昨年10月の大統領選で前大統領が負けたことに不満で、「不正があった」と言い始め、選挙結果を無効にするため、軍の介入と左派のルラ大統領の拘束を求めたというのです。ボルソナロ本人の一定の介入がなければ、ありえないことでしょう。

 このブラジルの事件って、2020年初頭に米トランプ大統領の支持者が国会議事堂に乱入したことを彷彿させますよね。彼らも前年11月に行われた大統領選について「トランプが勝っていた」とバイデン勝利を認めず、民主主義の原点ともいうべき国会に押し入り、暴力で蹂躙、破壊したのです。これもトランプが裏で操っていたという情報がありましたが、さまざまな傍証を見る限り、疑うところはないでしょう。

 ボルソナロは「南米のトランプ」と言われていたけど、敗戦後にまったく同じ行動に出たのには驚きました。しかも軍の介入まで求めたというのはトランプ以下、あきれ果てました。日本でも第一次安保闘争があった1960年に国会周辺にデモ隊が押し寄せ、国会のゲートを打ち破る光景があったのを記憶しています。ただ、これは小生らの子供のころの話。映像で見る限り、デモ隊は国会の警備員と衝突するだけで本格的に突入しようとする気配はないように感じられました。少なくとも日本国民は「国会は神聖な場」との認識があったからだと思います。

 一人が屹立する独裁国家専制主義、統制主義などを嫌う「民主主義国の民」であれば、民主主義の“砦”を破壊し、占拠するようなことをやるべきではない。また、多数決で決めるのが民主主義のルールであって、たとい1票の差であっても勝ちは勝ち、負けは負け。自分に不利な選挙を「不正だ」「茶番だ」と言ったり、結果を認めなかったりしたら、この制度は成立しないのです。「少数意見も尊重しろ」というのも意味のない犬の遠吠え。勝利した方の決定に100%従うのがルールです。

 トランプなどは選挙前から「儂が負けたら、不正がある証拠」などと豪語していましたが、言語道断。こんなことを言う品性下劣な奴は、民主主義国の選挙に参加する資格はない。選挙のない中国や北朝鮮、あるいは選挙があってもほとんど機能していないロシア、ベラルーシなどの半独裁国家に行けばいいのです。選挙の敗者は粛々と負けを認め、勝者を祝する、これこそ知的で成熟した政治家、国家の在り様だと思います。

 上の写真は、茨城県大子町の宿屋で出された夕食の膳。下の方は、横浜・伊勢佐木町にある中国東北地方(旧満州)料理の店「鉄鍋炖」の名物料理。鍋の内側に張り付けてあるのは小麦とトウモロコシの粉を煉り合わせたもの。