つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

日枝久氏の記者会見出席是非で論争、面白かった

 今日朝、フジテレビのワイドショーを見ていたら、本日行われるフジの釈明会見に同局で隠然たる力を保持している日枝久相談役兼取締役も同席させるべきかどうかで論争していました。自局のことについてこれだけ議論するのはなかなか面白いし、ある意味好感が持てました。解説していた弁護士は大胆にも「日枝氏も出るべきだ」と主張したのですが、これに対し、コメンテーターの橋下徹氏は「法的に会社を代表する権限がない人を出すべきでない。日枝氏を出すなら、取締役全員を出さなくてはならなくなる」と反論していました。

 世間一般的には、陰の権力者が出てきて記者の質問に答えて欲しいなとの思いが強いでしょうね。でも、制度的な建て前からすれば、橋下氏の言うことが正論かと小生は思います。隠然たる力があると言っても、法的には会社を代表するのはやはり代表権を持っている会長、社長ですから。そもそも代表権を持たない相談役が闇で企業の最終決定権を握っていること自体感心しませんが、それはそれでその企業が持つ伝統的な風土なので、致し方ないこと。昔の中国の最高実力者、鄧小平氏や先日亡くなった某大手新聞社の巨頭もそうでした。

 90歳前後のご老体を企業の最高幹部に据えているというのは世間的には異常な風景ですが、某大手紙にしろ、フジテレビにしろ、それなりの有用性があってのことかと思います。とりわけテレビ局は地上波電波を政府から分けてもらっているだけに、政界ににらみを利かせるこうした古手の幹部が必要です。ですから、風土的に言っても、持ち株の比率から言ってもこういう人がいてもいいのではないかと思います。日枝氏が中居正広の女性問題に直接関わっているとは思えませんし、記者会見でこの問題で聞かれても答えようがないでしょう。単に感想を聞くだけです。

 で、中居正広問題を掘り下げると、やはり芸能部門は映画界、音楽界にも共通するような汚い人間関係の世界が存在するようですね。テレビ局には崇高なる報道という使命がある一方で、同じビルの中で中居問題のようなドロドロした賄賂、男女関係がある芸能の世界も存在するとは、好対照の感があります。が、それが現実です。テレビに出て人気者になりたいと思う者は媚びを売っても、金を払ってでも、身体をささげてでもと思うでしょう。今回の事案はそういう汚い世界を知っている中居がその中で悪乗りしたということでしょうか。

 ガキの頃からタレントだった中居は世間常識を持ち合わせていない、しかもホモセクシャル問題で追及されたジャニー喜多川の事務所にいた人。そんな中で育った中居は女性の一人や二人を自由にするのは当たり前だと思っていたのでしょう。でも、今回は相手が悪かった、フジテレビの正社員たるアナウンサーだったからです。アナウンサーはすでに正社員として身分が保障されているので、今さら芸能人に媚びを売る必要はないのです。

 相当なファンであるなら別ですが、たまたま行った飲み会とか、番組の打ち合わせの会合とかで無理やり中居と2人だけにさせられたりしても男女関係に及ぶようなそんな気分にはならないでしょう。それを芸能人の乗りで迫った中居に大きな問題があります。でも、テレビ局の方針として、アナウンサーをビッグタレントに定期的に”上納”するような慣習が背後にあったとしたらそれこそ大問題です。今回のケースを見ると、どうもそのような傾向も垣間見られます。そのセッティングをテレビ局としてやったのか、それとも担当プロデューサーの一存なのかは分かりませんが…。

 有名になりたいと願う人が金を出そうと、身体を投げ出そうとそれはその人の勝手で、モラル的にどうかとは感じますが、別段あってもいいことだと思います。小生は自由を愛する人間ですので、法に触れない限りその個人の判断、決断を尊重します。たといパワー関係があったとしても本人が納得するのであれば。でも、何事も相手が嫌がることを無理やり推し進めるというのは感心しませんし、許されないことです。

 

 上の写真は大阪・通天閣近くで見かけた街中の風景。