つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「沖縄は中国領土」の主張知らないノー天気

higurashi-takanori2008-02-20

 前回、岩手の蘇民祭で奪い合うのは男根の象徴だと紹介しましたが、右の写真がその現物です。さすが造形学界の大家だけあって、金子量重先生は、実物をもっていらして、われわれに見せてくださいました。ま、見方によってはそれらしいけど、いわゆるリアリティーはないですね。金子先生によれば、東北地方にあるこけしも男根の化身であるといいます。豊作と生殖が結びついて男根信仰が起きるのでしょうか。
 ところで、小生が「沖縄を狙う中国の野心−日本の海が侵される」という本を出版して、もう1年と少し経ちましたが、東シナ海エネルギー開発問題が関心を集めるのにしたがって、沖縄問題も注目されるようになり、いくつか講演の口がかかりました。
 中国側が今、「沖縄も中国固有の領土だ」と主張し始めていることを、日本人のどのくらいの人が知っているのでしょう。中国は尖閣諸島だけでなく、じわじわと日本の領土そのものを侵食にかかっているのです。日本人は本当にノー天気、平和、平和と唱えていれば、平和が来るものだと思っている人、自らが軍縮する、兵器をなくすことで平和になると思っている人がなんと多いことか。こういう毛ばりにかかってはなりません。非常に危険です。
 国家関係というのは、すべて相手があることなんですね。確かに、軍備をなくすことはハッピーなことですけど、周辺国に十分な軍備がある状態で、日本だけ一方的に軍備をなくすことがどんなに危険なことか、分からない人が多いのです。もちろん、「奴隷の平和」でもいいというのでしたら、軍縮も可能でしょうが、、。この考えに納得がいかないという人は、これまでの世界史の例、あるいは最近の南シナ海の例を出して、小生が十分に説明しますから、どうかメールください。
 沖縄の米兵による少女暴行事件はたしかに不愉快なことですが、だからといって米軍の基地をなくせというのは暴論です。沖縄で暴行事件は日本人同士でかなりの数で起こっており、米軍兵士だけの問題ではありません。こうした事件をもって、米軍批判を集中させ、国家の安全保障と同レベルで論じるのは、小生に言わせればナンセンスの極みです。米軍はいやだから、中国やロシアと同盟を結びたいというのなら、議論の余地はまだあります。でも、中国は言論の自由も、選挙もない一党独裁の国、ロシアはKGBが支配し、反対派が毒殺される国です、それでもいいですか。
 外国との同盟はいやだから、日本は一国で安全保障を計りたいという人であれば、小生は十分理解できます。ですが、それでも、他国との同盟は避けられないでしょう。あの中国、ロシアですら、今、上海協力機構(SCO)を構築しようとしているのですから。