つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

蘇民祭で奪い合っているのは男根の象徴

アジア民族造形文化研究所長で、造形学の大家である金子量重先生が主催する「横浜会議」という新しい会がスタートしました。先週15日に開かれた第2回の会合には、金子先生、山口洋一元ミャンマー大使、加藤淳平元ベルギー大使・常磐大学教授、菅沼光弘元公安調査庁部長の元公人のほか、国際政治学者、元新聞記者らのジャーナリスト、評論家が参加。第1回会合には、動物学者も顔を出しており、いずれも小生は末席を汚しましたが、談論風発してなかなか面白い会でした。
第2回会合では、金子先生が今話題になっている岩手県の「蘇民祭」のいわれを話してくださったのですが、もともと五穀豊穣を目指した稲作文化の祭りであり、豊穣は生殖に関わりがあるので、あのふんどし姿の男たちが奪い合うのは、こけしに似た男根の象徴であるというのです。日本各地、特に東北地方には男根信仰が根強く、小生もかつて山形にいたとき、そうした造形を目にしています。そう説明を受ければ、なるほどもともと祭りを全裸でやっていたという意味合いが理解できます。
このあと、菅沼さんから最近の政治状況についてお話がありましが、微妙な問題を含んでいるので、ここでは割愛します。要は、日本の政治権力がいかに金と暴力にかかわっているのかという話で、野中広務元幹事長が政界を引退したいきさつ、小泉純一郎氏が自民党の構造に与えた歴史的意味合いなどがよく理解できました。
ただ、一つ分からないのは、この会合はいったい何を目指しているのか。単なる談論風発の会か、昨今の風潮に関して不満をぶつける会か、それとも一定の意見を集約して世に問うのか。今のところ、分かりません。第3回になったら金子先生にお伺いしなければならないと思っています。