つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

民主党の「初」が次の米大統領になるのか

higurashi-takanori2008-02-11

初の女性か、それとも初の有色人種か−という視点で、米大統領選の予備選挙は特に民主党が注目されています。加えて、ヒラリーは前ファーストレディーオバマケニア人の父親と白人の米国人を母親に持つという異色の存在ですから、日本人といえども大いに興味のあるところです。
 週刊誌の記事を見ると、民主党のどちらが日本にマイナスになるのかという角度から取り上げたものが多いのですが、やはりヒラリーは日本にとって、やりにくい相手とほとんどが見ています。彼女は昨秋出した外交論文で、「米中は極めて重要な二国間関係」と述べながら、日本との関係には一言も触れていません。週刊誌によれば、これは在米中国人から100億円を超える選挙資金を受け取っていたためだということです。夫のビル・クリントンも在任中の中国訪問の際、同盟国である日本に立ち寄らずとんぼ帰りしたことがありましたが、中国寄り、日本に冷たいのは夫妻共通のようです。
 では、オバマはどうか。「ブレーンの中には知日派が多いし、有色人種の連帯感からか、明らかに彼の方が日本に好意的だ」との見方があります。ただ、民主党自体がもともと中国重視なのですから、2人のどちらが政権を取っても、共和党知日派人脈に頼ってきた日本外交は大きな危機を迎えることになるでしょう。
 8年にわたり共和党政権が続き、ブッシュ現大統領の人気も落ちているので、11月の本選挙では民主党候補が勝つだろうとの見方が支配的で、そのために、2人の「初」に注目している面もあるのですが、果たして本当に民主党政権になると見ていいのでしょうか。最後に、保守的な選挙民は案外、「初」を嫌うのではないでしょうか。その点、共和党の候補者となりそうなマケインは白人でベトナム戦争の英雄であり、最後に“無難に”こちらが選ばれる可能性もあります。
 それにしても、いったん大統領が選ばれれば、4年間政権が動かない米国はある意味、幸せです。「解散」という制度がある日本では、常に大衆の支持度を意識しなければなりません。その結果、内閣は刹那的なポピュリズム大衆迎合主義)に走る嫌いがあり、長期的な国家戦略、外交戦略など立てようがありません。日本政治の脆弱性は解散制度に由来していると、小生は見ています。