つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ペンス大統領を望むのは不謹慎か

 米大統領選でドナルド・トランプ氏が当選したのは、英国のEU離脱選択以上の驚きでした。でも、実を言うと、小生は今夏くらいまで、クリントンとトランプは5分5分の争いと見ていました。この見方は何人かに話しているのですが、その理由は、8年間のオバマ民主党政権に飽きた人々や、米国中心、利己的な主張に共鳴する隠れトランプ派が案外多いのではないかと感じていたからです。
 ただ、終盤戦になって両候補の泥仕合が始まり、トランプ氏の女性蔑視発言が暴露されるに及んで、これはもう勝てないだろうなと踏んでいました。結果を見て分かったことですが、小生が感じていた以上に民主党飽き組や隠れトランプ派が多かったということですね。彼らは、女性蔑視発言などで揺らがない強固な支持者なのです。
 さて、トランプが大統領になる以上、彼の政権の政策が大いに気になるところですが、これまでの発言を聞く限り、ロシアの旧CIS諸国への軍事的圧力に関心がなく、日米関係でも日本安保タダ乗り論を展開し、駐留経費負担増を言っています。経済面では、TPPやNAFTAに反対で、経済グローバリズムとは遠いところにいます。
 つまり、米国が超大国として世界に君臨してきた過去の栄光にとらわれない、安全保障面では自国中心、経済面でも保護主義的な傾向の主張ばかりです。これって、彼の言う「make america great again」というスローガンと矛盾するのではないでしょうか。彼のこれまでの主張通りならば、「make america small newly」ということになってしまいます。
 で、日本などでは、トランプ氏が実際に政権の骨組みを作る中で、従来の共和党の大勢に従い、超大国としての自覚、グローバリズム新自由主義の傾向が出てくるだろうと期待しています。小生も変わるだろうという見方をしています。いかに金持ち経済人のトランプ氏であろうと、政治は素人ですから、大方の意見に従わざるを得ないのでしょう。
 実は、小生が関心を持つのが、前にも書きましたがマイク・ペンス次期副大統領の存在です。共和党の主だった人たちもこのペンス氏に強い思い入れを持っているようです。なぜなら、彼は、共和党の伝統的な主張を持つ人物であり、最側近としてトランプ氏にそうした主張に近づくよう進言すると考えるからです。
 共和党内にはトランプに代わっていっそのことペンスが大統領になってほしいと考える人もいないわけではありません。実は、小生もそう思っている一人です。相変わらず多い党内の反トランプ、親ペンスを考慮すると、トランプ氏が大統領になっても、そう長くは続かないだろうという大胆な予測も成り立ちます。
 そのきっかけは一つはスキャンダル。共和党ではかつてニクソンウォーターゲート事件で辞めた過去があります。もう一つは暗殺。共和党ではリンカーン民主党ではケネディーが有名ですが、共和党ガーフィールドという第20代大統領は就任4カ月で暗殺されています。そういうことが起こり得るのがまた米国の怖さなのです。案外、ペンス大統領の出現はそう遠くないのかも知れません。これも希望的観測ですが、、。

 上の写真は、山形県鶴岡市にある藤沢周平記念館前の小生。藤沢ファンである小生が前から行きたかった場所ですが、展示物を見ると、あっと驚くようなものはありませんでした。