つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

大統領選、ハエが止まると負けるのか

 7日に行われた米大統領選の副大統領候補同士の討論会で、共和党候補マイク・ペンス氏の白髪の上にハエがかなり長い間(恐らく2分以上)止まるハプニングがありました。視聴者はそればかりに気を取られ、肝心のディベートはあまり聞いてなかったという話も伝わってきています。「主役はフライ(はえ)だった」とメディアは茶化していたけど、ディベート自体はそれだけ中身がなかったということか。世界が候補者2人の発言に注視している最中、それをせせら笑うように優雅に会場に”乱入”し、関心を奪ったハエのパフォーマンスに一定の評価を与えたいと思います。

 それにしても、討論会会場に食べ物はなかったと思われるので、いまどき食べ物もないところにハエがいるのが信じられない。小生が子供の時は家の中にハエがいっぱいいて、ハエたたきもあったし、ハエ取りの粘着剤もありましたが、今はほとんどハエを見ていない。小生の自宅マンションのゴミ置き場で、ゴキブリは見たことがありますが、ハエはない。横浜市の中心街ですから、発生するような場所がないのかも知れません。そう考えると、討論会場は米国西部の田舎ユタ州の州都ソルトレークシティーですから、街中にハエがいるのも不思議でない感じもします。

 実は、前回大統領選で、トランプとヒラリー・クリントンの討論会でも、ハエが現れ、ヒラリーの眉間に止まったのです。小生は知らなかったのですが、今回の一件でテレビ局が5年前の討論会映像を引っ張り出し、紹介していました。頭髪の上なら分からないこともありそうだけど、ヒラリーが目元にいるハエに全然気付かなかったのは驚きです。それだけディベートに集中していたためか、それとも彼女はもともとイリノイ州の田舎育ちだから、ハエが飛ぶことなど気にならなかったせいか。

 ヒラリーさんはハエにたたられたせいか、結局、大統領選には敗北しました。バイデンと民主党陣営は、この過去の”汚点”を逆利用し、「ハエに付きまとわれた方が負ける」とばかりに、トランプ、ペンス攻撃に出たのです。早速、「嘘とハエを叩き潰そう」と1本10ドルのハエたたきを売り出し、ハエたたきを持つバイデンのポスターまで作りました。もちろん、これも一種の選挙資金集めなのでしょうが、本人の問題でもない相手の”汚点”をあげつらって、傷口に塩をなすりつけるような行為はあまり関心しません。やることがせこいというか、嫌らしいというか。

 でも、ブックメーカーは大統領選も賭けの対象にするでしょうから、だれかは知りませんが、ハエに取りつかれると負けというのをジンクス化するのは面白い。かつてサッカーのワールドカップでタコの事前予想というのがあって、左右どちらの壺に入るかで勝敗を占っていました。ロシア大会では全部予想を的中させたタコもいたそうです。が、そのタコは別に賞状をもらうわけでなく、その後に出荷されてだれかに食べられてしまったとのこと。もっとも予想を外したタコは即その時点で出荷されたそうですから、”正解”を出し続けたタコはその間だけちょっぴり長生きできたメリットはありました。人生の幸運、不運の差でも、所詮その程度のものなんでしょう。

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 上の写真は、新型コロナウイルスで陽性になったトランプを茶化した中国の風刺画。