つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

本命はゲイの元市長でなく女性上院議員では

 米大統領選の民主党予備選は、左派のバーニー・サンダースが先日のアイオワ州での僅差の2位に続いて、ニューハンプシャー州ではトップに躍り出、異常な事態になっています。中道派でもっとも支持を受けると考えられていた元副大統領のジョー・バイデンは、2つの州で4位、5位に終わり、ほとんど再起の芽がなくなってしまいました。その中道派の票を奪っているのが、前インディアナ州サウスベンド市長でLGBT(ゲイ)のピーター・ブティジェッジで、彼が今後”台風の目”となりそうです。

 恐らく次の予備選で下位に終わったら、バイデンは撤退するかも知れません。副大統領時代に功績があったわけでなく、今回、魅力的な政策を打ち出すわけでもなく、しかも息子がウクライナで父親の力を利用してビジネスしているという疑惑も抱えている。77歳という高齢で、新鮮さを欠くということで人気が出ないとなれば、もうあきらめるしかないでしょう。小生から見ても、最初から魅力的に映らなかった。世間で言うところの「あの人、良さそうな人ね」「無難な人」という感じだけで、決定的に引き付けるものがないんですね。政治家には”灰汁の強さ”も必要です。

 サンダースというのは、ヒラリー・クリントンと争った時から、イメージとして好きになれないタイプの政治家。口角に唾を溜めて、怒りの表情で絶叫型、右手を上から下に何度も振り下ろすという映像を見ると、独裁者の演説のようで、かなりの嫌悪感を持たせます。小生が米国の民主党員なら絶対に投票しないでしょう。左派が保守に勝てないことは、ベトナム戦争華やかなりしころ、左派優勢と言われた1972年の大統領選で、民主党左派のマクガヴァン元上院議員ニクソン大統領に挑んだが、大敗した例があります。サンダースはこの歴史を知らないのでしょうか。

 そもそも自由放任主義(レッセ・フェール)を国是とする米国で西欧型の社会保障制度は似合わない。富裕層から金を取るというのは、若者を中心に受けやすいのですが、現実にはそう簡単でない。景気を悪化させます。同じ左派なら若干穏健なエリザベス・ウォーレンの方がまだよさそうな感じがします。ですが、彼女も支持の伸び悩みを感じ、スーパーチューズデー辺りで恐らく撤退するのではないかとにらんでいます。

 最初のアイオワ州予備選でトップになったブティジェッジはどうでしょうか。小生自身は、恥ずかしながら今回の予備選まで彼の名を知りませんでした。民主党の中道派から右派系の支持者は、手垢の付いたバイデンには投票したくない、かと言って左派のサンダースやウォーレンも嫌だ、70歳以上の老人には任せられないという感じで、しかたなくブティジェッジに投票した人が多かったのではないでしょうか。いわゆる不毛の選択というやつです。

 でも、30歳台という年齢は世界最強国の大統領としては、いかにもまだ早すぎるし、小さな市の市長経験だけでは、まだ政治家として不十分な感じがします。そして、小生、LGBTに対し特に偏見は持っていませんが、最強の軍隊を率いるトップとしてふさわしいのかどうか、いささか疑問に感じます。米国人の多くの人もそう思うでしょう。精力絶倫風で男のギンギンの力強さを見せるトランプとの一騎打ちになった時、強いアメリアを考慮すれば、大方の有権者の投票行動は自ずから見えてきます。

 一年の半分を米国で過ごす友人の米事情通に言わせると、期待が持てるのはニューハンプシャー州予備選で3位になったエイミー・クロブシャーだとのこと。彼女は中道派ですから、バイデンが撤退したら彼の票を受け継げるし、ウォーレンが撤退したら女性票ももらえそう。クロブシャーはまた、トランプが地盤とする中西部のミネソタ州上院議員ですから、トランプの地盤も切り崩せる。彼女の顔を冷静に見ると、ヒラリーのようないかがわしさがなく、笑顔もいい。半面、毅然とした政治家の顔も見せる。確かに、最初の米国女性大統領としてふさわしいとの思いが膨らんできます。

 3月初めのスーパーチューズデーでは、通信社経営で元ニューヨーク市長のマイケル・ブルンバーグが満を持して登場します。企業経営手腕や行政経験もある魅力的な男ですが、彼も77歳で老齢、しかもユダヤ人。米事情通に言わせると、「(ポーランドユダヤ人移民の子孫である)サンダースもそうだが、ユダヤ人は結局、大統領になるのは難しい」とのこと。で、結論的に言えば、クロブシャーが出てくる可能性が高いようです。彼女なら、トランプといい勝負ができそうな感じがします。

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 上の写真は、大阪の下町、串カツの本場としても有名な新世界通天閣の通りと、通天閣の守り神ビリケンさん。