つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

老人同士の中身ないディベートは願い下げ

 いやー、トランプとバイデンの第一回ディベートは実にばかばかしくて、面白かった。これが世界をリードする米国の大統領を決める論争かと思うと、あまりにも情けない感じもしましたが、、。中でも最高傑作なのは、トランプがバイデンの大学時代の成績を持ち出し、ビリだったと指摘したこと。「頭の悪さはお前もそうだろ。お前だけには言われたくないよ」とバイデンは思ったことでしょう。互いに70歳以上、バイデンなどは80歳に手が届く年齢なのに、いまだに、半世紀以上前の学生時代のことを蒸し返し、あげつらうなどは滑稽の極みです。

 でも、しみじみ思ったのは、米国でも学歴、さらには学生時代の成績が長く個人に付きまとうものなんだという点。恐れ入りました。はばかりながら、小生などは、大学は最低単位で卒業し、しかも「優」の数も10数個というお粗末さ。同期に東大、東京教育大(今の筑波大)卒がいない時期の国立大学とはいえ、端から大企業への就職など狙えない成績でした。でも小生は、文章の書ける仕事に就きたい、会社の出世は望まないと思っていましたから、成績はそれほど問題視していませんでしたが、、。

 それはともかく、トランプはもうすでに3年半、大統領職に就いていますが、今回の討論を見て、やはりこんな奴は米大統領になって欲しくなかったと改めて思いました。世界をリードする国なんですから、そのトップは品位が必要です。品位のない、自分中心の人間がどれだけ立派な政策を言っても、だれも耳を貸さないし、付いていくこともないでしょう。ディベートで、彼は最初からそういう作戦を決めていたのかも知れませんが、バイデンがテレビ目線で話している最中に脇から言葉をかぶせ、発言を妨害しようとしました。

 これは、左翼的な人士によく見られる手口。ある日の討論会で、誰とは言いませんが、失礼ながら、あまりテレビで見たくないほどの”辛い”ご面相をした女性知識人が、台湾出身の評論家、金美齢女史の発言の最中、ずっと横から言葉を挟み、妨害していました。この女性知識人はほとんど非論理的で感情論だけの人。こういった他人の意見が聴けない人、自己主張しか興味のない人というのは非常に危険だし、テレビに出すべきではないでしょう。自己主張だけでは話が発展しないし、ディベートにならないですから。

 トランプは左翼ではないが、親譲りのビジネスマン。もともと思想性、政治的な主張がない人です。つまり、自分に信念がない分、こういうディベートでは不安になり、攻撃的になるんでしょうね。じゃ、バイデンが良かったかというと、さほどでもない。やはり、トランプが発言した時に口を挟んでいましたし、第一、最初に握手もしませんでした。これは新型コロナウイルスの影響もあるのでしょうが、世論調査で優位に立っているなら、余裕を示し、握手を求めても良かったかと思います。

 小生は本当は双方の中国への関わり方、政策を聴きたかった。特に、バイデンはどう主張するのか。トランプと一緒なのか、それとも違いがあるのか。トランプのこれまでの中国政策は分かったけど、今後どうしたいのか。さらには、日本など同盟国との関係にも言及してほしかった。まあ、直接対決討論会は第一回目で、まだ2回あるそうな。そこでは外交問題も出てくると思われます。が、最初のディベートの状況を見ると、やはり泥仕合になる感じがしてなりません。老人同士のののしり合いでしたら、ご勘弁願いたいです。

 大統領候補同士が駄目なら、マイク・ペンスとカマラ・ハリスの副大統領候補ディベートに期待したい。少なくとも老人同士よりは実のある議論が展開されると思います。ペンスは2018年、昨年秋と2度にわたって対中国政策について演説しています。一方、司法官出身であるハリスは外交については未知数。どんな話をするか大変興味があります。2人は今月7日に対決しますので、楽しみです。

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 上の写真は、東京・九段坂の北の丸公園入口にある高燈籠。