つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

電車の中のトラブル男にどう対応?

 先日、京浜東北線北行き電車に乗車、ドアに近い端の席に座って居眠りしていたら、大森−大井町間で突然ダーンダーンと激しい音が聞こえてきました。前に人がいたので小生の席から見えなかったのですが、どうやら中年の男が足で激しくドアを蹴っている様子。その上、何かわけの分からない言葉でわめいていました。
 面白いのは、周囲にいる人間の対応です。何人かがその場を離れる中で、男がたたいているドア付近に立っていた40歳前後の男が「何やっているんだ。電車の中で他人の迷惑になるようなことをするな」と冷静に注意したのです。ドア蹴り男はこの男には何も言わず、ドアを蹴り続ける。そこで、またまたそばにいた女性が続いて「そんなことするなら、電車を降りなさい」と注意しました。
 ドア蹴り男は今度は相手が女と見ると、女性の前に顔を突き出し、「何だ…」と大声でわめきだしたのです。相手が男性であるならともかく、女性に手を出すようだったら、小生も何もしないわけにはいかないと席を離れて立ち上がり、無言で男の腕を取りました。次の駅に着き次第、ドア蹴り男を外に連れ出そうと思ったのです。
 もちろん、小生も相手が殴り掛かってきたら、応戦しようと十分な心構えをしていました。ただ、ドア蹴り男の腕を取った瞬間、相手は「体に触るな」と言い、小生の手を振り払うようにしましたが、手を出すようなことはしませんでした。小生はこれでちょっと安心しましたが、まだ用心の態勢は崩していません。
 この時、最初にドア蹴り男に注意した男性が小生に向かって、「相手ははまだ手を出していないので、あなたも手を出さない方がいい」と注意をしてくれたのです。小生もこれで相手から離れ、席に戻りました。もしドア蹴り男がドアを蹴るように小生に向かってきたらどうだったでしょう。
 小生、一応、空手の有段者ではありますが、練習していた当時からかなりの年月が経っており、見事に対応できたかどうか、、。また、場合によっては、過剰防衛で相手を傷つける恐れもあります。こちらも無傷では済まないこともあるでしょう。危険な行動だったかも知れません。
 ドア蹴り男や小生に注意した40歳前後の男性はあくまで冷静沈着で、次の駅に着くなり、ホームに出て、「駅員さーん、車内にへんな男がいます」と呼びに出たのです。このままドア蹴り男を放置すると再び他の客に迷惑になると判断したからでしょう。今思うと、きちんとした対応をする人だなと改めて感心しました。
 電車に乗っているとよくいろいろなケース、トラブルを見ることがあります。だから、とりわけトラブル発生が多い満員電車には乗りたくないのです。幸い、今はそんな機会はほとんどないので助かっていますが、、。でも、トラブルを目撃したとき、一人ひとりどんな対応を取るかは重要ですね。君子危うしに近寄らずとも言いますが、それでまったく他人のことは見て見ぬふりするというのも、正常な男としてちょっと忸怩たる思いがします。


 上の写真は、山形県高畠町の道の駅たかはた・まほろばステーションの朝の風景。