つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

痴漢疑われ対策は「李下に冠を正さず」

 最近、電車内で痴漢を疑われた男が線路に降りて逃走するケースが東京都内で頻発しているそうです。男性一般の認識として、いったん痴漢と疑われると、駅員は主に”被害者”女性の言い分を聞き、男性は弁解の余地なく、逮捕されることが多いとの思いがあるためでしょう。下手に否定するものなら長期間勾留される恐れもあります。ですから、そういう煩わしさから逃れるために、線路から逃走するという気持ちも分からなくもありません。
 幸い、小生はサラリーマン時代も今も、満員電車に乗る出勤はほとんどなく、まあ疑られるような状況には遭遇していません。しかし、つまらないことで疑われて新聞沙汰になり(本人否定でも逮捕時点で公表される)、勤めを辞めさせられるなどの最悪のケースを避けるため、込み合っている電車では、カバンなど持ち物は網棚に上げ、両手はなるべくつり革や上のバーを握っているようにしています。
 端から痴漢する意思もないのに、不必要に疑われることほどばからしいことはありません。友人の中には、もし疑われたら、「お前みたいなブスにだれが痴漢するか、どうせするならもっと美人にするわい」などと悪態をつくと言う人がいますが、これは本人の憂さ晴らしにはなるかも知れませんが、相手をかなり侮辱することになりますから、状況的にはむしろ逆効果ですね。
 実際、込み合っている電車内では好むと好まざるとにかかわらず、男女が超接近することはあります。入り口付近で近くにつり革、バーがなければ、つかむところはない。手を上に上げバンザイしているだけではちょっと不自然ですので、小生はそんな時は体の前の方にカバンを下げ、その上に肘を置き、読書するようにしています。本を持っていれば、手が他人を触るような疑いを持たれることはないわけですから。
 先般、田園都市線で痴漢を疑われた男性が線路に逃げ、電車にはねられ、死亡しました。告発した女性がそうだとは言いませんが、昨今、女と男性2人ほどがグルになって痴漢を仕掛け、示談金を取る、言わば現代版の「美人局(つつもたせ)」と言うべき詐欺グループも暗躍していると言います。でも、田園都市線のケースでも、痴漢されたと主張する女性は、男性が電車ではねられたあと、姿を消したと言うのですから、非常に疑わしい。
 美人局の手口はこうだ。満員電車の中で、女性が気の弱そうな男性の手を取り、わざとその手を自分の身体の方に持っていく。男性がその手をそのままにしていると、突然その手を持ち上げて「この人痴漢です」と大きな声を上げるのです。すると、すぐそばにいるグルの男が「俺も見ていたぞ。警察に突き出し、証人になってやる」と言って、”被疑者”を無理やり電車から降ろさせるのです。
 そのホーム上で、”被疑者”に女と示談させることもできるし、駅員、警察が介入していも示談の余地があるわけですから、美人局グループにしてはおいしい犯罪になります。こういう犯罪が成り立つ裏は、痴漢という犯罪では今、圧倒的に女性の主張が取り上げられること、一方、男性は、疑われて警察沙汰になれば、それだけで会社に知られ、大恥をかき、社会的制裁を受けるので、それを防ぎたいという思いがあるためです。
 そんな理不尽なことがあっていいわけありませんが、それが現実ですね。以後の煩雑さを避けて、線路に逃げたくなる気持ちも分かります。でも、考えてみれば、最初から「瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず」で、疑わしいことを避ければいいのです。へんな女が手を握ってきたら、「俺はそんなにもてるのか」などとばかな妄想を持たず、振りほどく勇気が必要です。


 上の写真は、市川の大学に通う途中で見た他人の家の庭に咲く花。