つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

自民党は無内容野党主導の政局で踊るな

 夏の政局が慌ただしくなってきました。自民党公明党が野田政権の税と社会保障の一体改革法案に賛成する代わりに早期解散を迫ったので、結局、谷垣総裁と野田首相のサシの会談となり、谷垣氏は「近いうちに信を問う」という言質を取って了承することにしたようです。自民党内には、今がチャンスだから、他の野党グループの内閣不信任案に乗って解散に追い込めという意見もあったそうですが、谷垣氏はそれには乗らず、粛々と消費税増税案に賛成する立場に回りました。
 実は、野党の内閣不信任案が出て、自民党が一時便乗して不信任案を出す構えを見せたため、長期金利がぐっと上がる気配を見せました。ひたすら消費税アップを嫌う普通の主婦などはこの金利上昇の意味が理解できないでしょうが、これはよくよく考えると末恐ろしい事態なのです。消費税アップがなければ、一般財源は再び国債に頼らなければならないから、さらに増額発行される。そうすれば、国債の信頼度が落ちるので、金利を上げざるを得ない。つまり、日本の国債ギリシャのように徐々にジャンクボンド化してしまうという警告なのです。
 国際感覚があり、経済の仕組みが分かっている国会議員ならば、この時期に消費税反対など言えないと思うのですが、ばかな左翼政党と民主分派小沢グループの「自分の選挙が第一」党は消費税案つぶしにかかりました。小生がちょっとは信頼していたみんなの党がこの連中に乗ったのは残念でなりません。みんなの党は、消費税より公官庁の無駄つぶしを言っており、消費税増税は少なくとも無駄つぶし案とセットになるべきだという考えは理解できますが、今すぐに無駄つぶしができるわけはありません。それが分かっていながら、反対だけのばかな野党グループの動きに乗るのはいかがなものかと思います。
 一体改革案議決の前々日、フジテレビ衛星チャンネルに出演した森喜朗元首相は、自民党執行部が法案の賛成条件に解散の約束をさせようと躍起になっていることについて、「首相が解散の約束などできるわけがない。自民党は粛々と一体改革案に賛成し、しかるのちに野田首相の決断を待てばいい。間もなく衆院任期は一年を切るので、早晩解散はある」という考え方を示していました。至極常識的で、正論を言う人なのだなと改めて感心しました。
 自民党もかつては消費税増税を考えてきた政党、ここは軽薄に無内容野党主導の政局に乗るのではなく、民主党と政策で一致するところは断固進めていくべきです。そうすれば、有権者自民党への信頼感はさらに増し、次の政権与党になることは間違いありません。民主党はすでに墓穴を掘っているのですから、回復の余地はない。自民党は安易に踊ることなく、泰然自若と政策を進め、選挙を待てばいいのです。小生に言わせれば、「近いうち」などの言質も取る必要はない。言質など取らなくとも、秋口に民主、自民両党首の代表選びがあるのですから、衆院選が近いことは10歳程度の子供でも分かることです。
 下の写真は、香港カオルーンサイドのヤマティーにある「男人街」の風景。