つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

無償化を決定して消費税延期はおかしい

 今日朝、新聞の外電面を読んでいたら、久しぶりにギリシャの話題が出ていました。どういうことかと言うと、かの国は近く年金を増額し、付加価値税(消費税)を引き下げる策を打ち出したとのこと。驚きました。チプラス政権は何を考えているのか。8年前、財政危機があった時に、EU圏内にとどまるために四苦八苦。ドイツなどに相当迷惑をかけていたのに、まだ、懲りていなかったようです。

 ギリシャは、なんだか楽して生きようとする人が多いようで、50歳台で定年退職すると、もう二度と働かず、相当な額の年金をもらい、優雅に暮らしていくのが当たり前だとか。年金のために国家財政が破たんしようが関係ない、まさにケセラセラの世界。そこに、おいしいことしか言わない左派系のチプラス政権ができたのです。一時はドイツなどEU財政再建策に従ったけど、8年たってもう我慢はいいや、と判断したようです。

 でも、これって、他のEU諸国が許さないでしょうね。「やっと再建のめどが立ったというのに、また年金増額かよ」って。この甘い政策をギリシャが本当に実施したら、今度ことEUからの排除ということになってしまうかも知れません。でも、それも望むところか。EUのユーロ圏から出て再び昔の独自通貨のドラクマに戻ったら、いくらでも通貨の切り下げができるから、短期的には彼らはハッピーでしょう。でも、長期的には深い泥沼にはまります。

 ということで、我が国の話に転じます。今、安倍政権は衆参のダブル選挙を模索し、その解散の名目探しをしています。あろうことか、その名目の一つに消費税の再々引き延ばしが考慮されているとか。ですが、政府はすでに幼児教育、保育費を無償化をする子育て支援法改正案を閣議決定しています。さらに、世帯主の所得制限があるものの高校授業料の無償化や就学紫煙金制度の発足なども決めています。

 こうした制度はもともと消費税の10%アップが前提になっているのですが、10%アップの前に早々と制度化してしまったのです。ですから、もしダブル選の”大義”のために10%アップを引き延ばしや凍結をしたら、財源がないまま大盤振る舞いをしてしまうことになります。いったいこの穴埋めはどうするの、またまた赤字国債という次世代への付け回しなのか。若い世代はうんざりでしょう。正直、自民党が責任政党であるなら、財源なき大盤振る舞いはぜひやめてほしいと思います。

 では、自民党政権を倒そうとしている野党はどうなのかと問えば、国民民主も立憲民主党も一連の無償化、支援制度には大いに賛成しながら、消費税の増税には反対と言っているのです。自民党以上に無責任政党です。税金は嫌だ、でも福祉はもっとしろというのであれば、ギリシャのチプラス無責任政権と何ら変わらない。これでは、自民に代わって政権に就かせられるわけはない。選挙民も冷静に考えてほしいと思います。

 中国は「一帯一路」経済圏構想に絡み、地中海の要衝であるギリシャピレウス港の獲得を狙って、建設資本をぶち込んでいます。ですから、ギリシャはやがて中国からの債務が払えなくなり、同港の使用権を取られてしまうのではないかと危惧されています。楽してその場しのぎでケセラセラで生きようとする国家と国民は、やがて他国に隷属する運命にあることを政治家は知らなくてはなりません。

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上の写真は、千葉県の”小江戸”佐原の水郷風景。今年も奨学金財団の旅行で行ってきました。