つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「政策は後で」の石原発言は暴論

 前回、石原都知事の今後の動きに注目と書きましたが、書いたその日に彼が言った言葉は、「中央集権体制を壊すために取りあえず、第三極の政治勢力の結集が必要。小さい政策のすり合わせなどあとですればよい」などという内容でした。あまりにも暴論すぎて話になりません。小生の見立てでは、これでもう石原新党への期待、彼に対する世間の幻想はなくなるかなという思いでした。
 確か、かつての民主党は、「自民党政権の打破」という合言葉だけで、みそもくそも一緒にして政治勢力を作りました。その結果はどうだったですか、消費税でも原発問題でもTPPでも統一した政策の集約が図れず、議員は一体化できず、政党としては機能しませんでした。そうなると、議員は一人去り、二人去りで結局、今は空中分解の危機に直面しています。
 「中央集権体制の打破」などという言葉は極めてあいまいです。こんなセリフで議員、いや政治を目指す人が結集できるわけがありません。「石原がトップにいるなら、どんな政策でもいい」と集まったらとしたら、それは野合でしかなく、そういう人がいたとしたらばかにされることは請け合いです。選挙民もそれほど軽薄ではないですから。今の時代、政策が何よりも優先されるべき課題です。
 その点では、一時意見の齟齬を来していた維新の会とみんなの党が選挙を前に再び結集を図るために、しっかり政策のすり合わせをしているのは立派です。この2つの党は基本的にスモールガバメントを目指す党なので、小生は最終的にまとまる可能性が高いと思います。
 消費税に対し、みんなの党は否定的ですが、これは反対のための反対でなく、ガバメントのスモール化を図る方が先だろうという考えであって、スリム化が実現した上でなおかつプライマリーバランスが悪ければ、消費税にも反対しないはずです。橋下市長もかつては消費税には賛成していました。この2党は過程論として反対しているのであって、基本的に健全財政などどうでもいいと言っているわけではありません。
 この2党と違って、「自分の選挙が第一」の小沢党議員や亀井静香氏などは「景気の悪いときに消費税上げは駄目」などと井戸端会議の主婦受けを狙った衆愚政治的発言をしています。こういう無責任な小沢党や亀井氏らには「では、いったいいつになったら消費税上げの時期が訪れるのか」「景気が回復しなければ、永遠に財政再建など考えなくていいのか」と問いたくなります。
 現在、ずっと消費税を上げていないのにもかかわらず景気は一向に上昇していません。そこで彼らの言うように、景気回復まで消費税上げを待つとしたら、その機会は当分訪れることはないし、ますます財政悪化が進むでしょう。小沢氏らの毛バリ発言にだまされてはなりません。健全財政が確保されれば、却って国家の信用力がつき、外国の金は流れ込んでくるものです。政治家はそういう長期的な視点で考え、ものを言ってほしいのです。
 下の写真は、バンコクのワット・ポー(寺)での庶民の祈りの光景。