つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

総選挙するなら大きな政策課題を争点に

 どうやら12月に総選挙があるようです。マスコミ報道によれば、安倍首相が近く、来年春の消費税10%への再アップ回避を発表し、それと合わせて衆院解散を宣言するということです。プライマリーバランス確保を目指し消費税の再アップを政治決断、党内のアップ反対派を抑え込むために、その政治決断について総選挙で信を問うというのならまだ分かりますが、消費税を据え置きして選挙するってどういう意味なんでしょうか。あまりにも唐突で、首相は何をとち狂っているのかと思えてなりません。
 自民党は2012年12月の総選挙で大勝ちし、多数議席を持っています。任期は4年なんですから、この優勢な数で任期満了まで粛々と進めて行ったらいいのではありませんか。今回12月に、選挙をしてもあの数以上を得るのは難しいと思います。消費税アップを延期したからと言っても、それほど自民党に求心力が働くとも思えず、恐らく2年前の議員獲得数までは行かないでしょう。数を減らす可能性が高いのになぜ冒険をするのでしょう。
 ワイドショーなどでの分析によれば、来年は統一地方選があり、その後の国政選挙では地方議員が働かない、また部分的集団的自衛権の法制化や原発の再稼働の問題もあり、消費税上げを延期しても自民党有利な情勢にはならない。そのため来年には解散のタイミングがないので、今年やるのだとのこと。でも、来年できないから今年中にやるというのは本末転倒ですね。
 少数与党であればまだしも、多数与党が解散するのは政策的にぜひ国民に信を問いたいことがあるときではないんですか。一般的に、任期満了選挙では与党に不利になると言われているので事前解散というケースもありますが、それも任期満了まで1年を切った以後の話です。まだ満了まで2年もある時期に何の争点も打ち出すことなく解散するのでは、税金の無駄遣い以外の何ものでもありませんし、第一、選挙民も「なんでまた選挙なの」と戸惑ってしまいます。
 もし、安倍首相がどうしても総選挙をしたいというのなら、たとえば、集団的自衛権をどうするか、原発をどうするかという国政レベルの大きな政策課題を争点に掲げて信を問うてください。来年ではこれらの問題によって政権運営にけちがつきそうなので、こうした問題隠しのために早めに選挙をやってしまおうというのでは、国民は納得しません。

 上の写真は、伊勢神宮内宮の正宮正殿前の風景。今週、日帰りで伊勢神宮を参拝してきました。