広島カープの3連覇に貢献した丸佳浩外野手(29)がFAで巨人に移籍しました。知り合いのカープファンに言わせれば、丸は千葉県勝浦市出身なので、関東方面チームへの移籍はある程度予測されていたとのこと。とはいえ、金満巨人に行くとは非常に残念。熱海海岸にある「金色夜叉」の貫一お宮像の貫一じゃないが、「丸よ。お前も金に目がくらんだのか」と言いたい気分です。
巨人は丸に5年で35億円の報酬を提示したそうです。一年当たり7億円で、5年間毎年、年末ジャンボ宝くじに当たったような、一般人にすれば目が飛び出るような額。こういう額を提示できる球団の金満さもすごいが、正直、そんな評価をされる選手もすごい。ただ、高額年棒などはほとんど税金に持っていかれるだけなんだから、ちょっと少額でも実質収入は変わらない。千葉県出身であるなら郷土愛を示し、ロッテに行ってほしかった。巨人に比べて提示額が少ないが、かなり自由度があり、選手寿命は延びそうな感じがします。
なんでも欲しがる巨人は、これまでもずっと他球団の有名選手を強引に引っ張ってきました。西武の清原、広島の江藤智、ソフトバンクの工藤、杉内、横浜の村田など枚挙にいとまがありません。かつての巨人というビッグネームや年棒に皆、目がくらんだのだと思います。でも、移籍した選手がその後、どんな目に遭っているかを見ると、決して幸せは野球人生を送ったとは思えません。
巨人が三顧の礼で迎えた工藤公康は2、3年後、横浜から移籍した門倉健投手の人的保証で横浜に移っています。つまり、球団がFA移籍選手の人的保証を拒否するプロテクト枠28人の中に入れてもらえなかったということ。工藤自身、「自分より実績のない門倉ごときの人的保証とは」と忸怩たる思いがあったでしょう。助っ人として入団した大選手に対して、巨人は情容赦がないのです。
ホームラン打者でWBC選手にも選ばれた元横浜の村田修一にしてもそうです。マギーの活躍で役に立たなくなりそうだと見ると、すぐにポイ。彼はその後他球団に行けず、ローカル球団に移らざるを得なくなりました。三浦大輔みたいにずっと横浜にいたら、地元民に愛され続け、別の野球人生が送れたはずだし、選手生命も延ばせたと思います。
丸が巨人に移ったことで、今後の最大の関心事は、丸の人的保証で巨人がどの選手を28人のプロテクト枠に置くかという点に移りました。巨人は昨年、日ハムから獲得したばかりの陽岱鋼などをプロテクトから外すかも知れません。というのは陽は守備力はあるけど、バッティングでは丸に比べて見劣りするし、ポジションも丸と同じ中堅手であることですから、最早要らない存在です。丸も力を落としたら、いずれ同じ運命が待っていることを自覚すべきです。
上の写真は、香港の繁華街チムサーチョイの風景。クリスマスシーズンのデコレ―ションが始まっていました。