つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

中国江南の旅を楽しみました

 3月20−25日に中国の江南地方を旅してきました。上海で大学時代の友人に会い、そのあと浙江省紹興へ。かの魯迅先生の生まれ故郷であり、中国醸造酒の銘酒である紹興酒の古里でもあります。魯迅は明治時代に日本に留学したくらいですから、実家は相当な資産家か旧家だと思っていましたが、予想に違わず、今は博物館になっている故居の大きさにびっくりしました。先祖の家はもとより、それに隣接する本人の家もいずれおとらずばかでかい構え。さすがに地方の名家とはこういうものだということを知ったのは収穫でした。
 紹興はクリーク(小水路)が張り巡らされた町。その昔の交通手段はすべて小舟だったのでしょう。クリークに面した家はすべて水路側に玄関があり、人々が今でも、庭先の水面で洗たくしたり、野菜を洗ったりしていました。小生が乗ったベネチアのゴンドラのような小舟の船頭によると、昔、この地の民は顔を洗い、歯も磨いていたといいます。まさに、交通路であると同時に生活用水でもあったのですね。
 クリークに付随して街並みがあり、そこが今でも「老街」として観光地になっていました。狭い小路なので、自動車はとても無理。小生はそれを予測して、紹興駅に降りたときから、周遊用に人力三輪車を選びました。その運転手の朱君は39歳で、市郊外の農村出身。いろいろ気を遣ってくれる男で、紹興の観光地といわれるところはすべて回ってくれました。
 下の写真は、紹興の町中の水路をゴンドラのような小舟で回遊しているところ。江南独特の風景はやはり日本人にはなじみますね。