つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

ロイヤルウェディング、なぜ荒探しする?

 まあ、一般論として庶民が皇室、王室のプリンセスにあこがれ、ほのかな恋心を抱いても、普通は恋愛、ましてや結婚などは絶対考えないでしょう。それはたとい身近に接していたとしても。名作映画「ローマの休日」では、新聞記者(グレゴリー・ペック)が偶然知り合った王女(オードリー・ヘップバーン)と一日、ローマ市内を回遊し、その中で恋心を抱く。王女も憎からず思い、最後宿舎前の別れの時に熱いキッスを交わすのだが、それ以上にはならず、その後の王女記者会見でも、あくまで取材する側、取材される側の冷静な態度で接していました。

 本来はその程度で終わってしまうものでしょう。だから、恋愛と結婚は別物。一庶民が王女との結婚まで考えるとなると相当な勇気が必要です。というのは、恋愛は単に2人の関係で済むでしょうが、結婚となると、双方の家庭の親戚付き合いも始まる。やはり、家庭環境、財力といった面で相応の釣り合いが取れていないことには、やはりぎくしゃくしたものになるでしょう。という観点からすると、このたび日本のプリンセスと結婚した若者KK氏の決断、というか”蛮勇”は相当なものだったと思います。

 でも、これもあくまで一般論ですが、今時、普通の庶民の若者が堅苦しい皇室のプリンセスとの結婚など望むものでしょうか。プリンセスとKK氏は三鷹にある大学ICUで同じ時期に学んだそうですが、たとい大学のクラスメートであっても、警備が付いているプリンセスなどには接近しにくい。小生の母校は小規模な国立大学だったので、およそプリンセスが来ることなどないところ。たといあったとしても、小生なら端から接近など考えないでしょうね。

 ただ、学生時代に似たような話、記憶があります。運動クラブ主催のダンスパーティーで知り合った女性を自宅まで送っていったことがあります。酔っ払っていてどの辺かよく覚えていないんですが、確か、杉並区の高級住宅地だったと思います。別れ際、「あそこが家なの」と女性が指差したところは、瀟洒な門があり、塀の外まで数本の木が覆いかぶさった、夜目にも分かる大豪邸でした。こちらは、千葉・船橋市郊外の小宅に住む”田舎者”ですから、酔った頭ながら、少しビビりました。ですから、グレゴリー・ペック(小生の大好きな俳優)のように別れ際にキッスすることもありませんでしたし、もちろんその後の付き合いなどもありません。

 KK氏の結婚相手は、杉並の豪邸どころでなく、赤坂一等地に壮大な敷地と邸宅を構える日本の特別なファミリーの娘です。よくもそんな娘と付き合う気になれたものですが、それはともかく、結婚相手となれば、メディアに注目され、すべて見透かされ、荒探しされることは分かり切っています。ですから、そんな注目を浴びてまで、極端に言えば、自分の身の上すべてをさらしてまで突っ込んでいくkk氏の行動は信じられないし、その勇気に敬意を表したいと思います。

 でも、面白いもので、世間はひがみ根性かジェラシーかは知りませんが、今回のロイヤルウェディングを普通の恋愛からの結婚とは見ないんですね。一庶民がそこまで突っ込んでいくのは、何か魂胆がある、裏があるのではないかと勘繰るのです。ましてや、メディアは、小生も含めて庶民の代表ヅラして好奇心の塊ばかりの人種ですから、この”不釣り合い”は何なんだろうと突き詰めていくのです。そこでKK氏の母上が300万円程度の借金が返せないという、ものすごく低次元の話を探り出し、公にするのです。

 メディアの中には「プリンセスがペテン師と駆け落ち」などという見出しを付けた記事もありました。正直、小生などはそこまでやる必要があるのかと思います。金銭貸借関係は別に犯罪になるわけでなく、あくまで民事上の問題です。ですから、不釣り合いを乗り越えて何とか結婚しようと思っている2人がそこにいるのなら、強いて荒探しなどせず、温かく見守ってやってもいいのではないか。それができないということは日本人一般の皇室に対する意識が変わってきているのかなとも思います。

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 上の写真は、横浜みなとみらい地区に係留されている日本丸。久しぶりに帆を満開にしていました。