つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

豪華客船がウイルスまみれというアンバランス

 小生の自宅からそう遠くない横浜港沖合に、大型クルーズ船が停泊し続けています。乗客の中に新型コロナウイルスの感染患者がいたとかで、なんと乗員乗客3711人という大勢が上陸できず、船内にとどめ置かれているとのことです。すでに感染者が10人以上と拡大しており、であれば船内隔離も致し方ないでしょう。豪華客船と肺炎ウイルスとはなんと不釣り合いな関係ですが、これも一つの現実。むしろ船なら、全員隔離しやすいという”好条件”を備えていて良かったとも言えます。

 この船ダイヤモンド・プリンセス号は、横浜から日本の内地を経て沖縄、台湾、香港、ベトナムに行き、またその航路で戻ってくる往復ルートだそうな。行き先より、まあゆっくり船の旅、いや船内の雰囲気、生活を楽しむ旅と言ってもいいのかもしれません。そういう旅が好きな御仁も年配者を中心に多いようです。小生の友人の中にも、地中海周遊クルーズを楽しんだり、3カ月もかけて船で世界一周したりした人もいます。

 小生はどちらかというと閉鎖恐怖症で、飛行機のエコノミーの狭いキャビンで10時間以上乗るのがしんどい。豪華客船は違うだろうと言っても、所詮行動範囲は限られており、会える人(つまり乗客)も同じなので、変化に乏しい。クルーズ旅好きに言わせれば、船内で豪華な食事が楽しめ、いろいろなイベント、ショー、カルチャー教室があり、期間が長期になっても、飽きないというのです。が、小生にとっては2、3日ならいいが、3カ月なんてつらい。ちょっと無理な感じです。

 貧乏性ですから、長イスに座ってゆったりと海を眺めるなどといった行動はできない。休めない。すぐにPCに向かって原稿を書きたくなるし、原稿を書くとなると近くに資料がないと不安。胃を切除しているので、豪華な食事も十分に楽しめません。第一、小生は乗り物酔いがひどい。若かりしころ、2泊3日かけて東京の竹芝桟橋から沖縄那覇まで船で行ったけど、激しい船酔いに遭い、ずっと横になっていたほどでした。

 それはともかく、乗客は日本に帰ってきて横浜の灯を見て、さあ上陸という時に足止めされてさぞ苛立ったことでしょう。決まった休暇日数で船旅した人は、休暇を延ばさざるを得なくなったのですから。この事態に対し、豪華客船の旅が延長できてハッピーと思うか、仕事が溜まっているのに、日本に帰ってもできないのかと嘆くのか。不可抗力の悲喜劇です。

 いかに横浜港内で陸地とは指呼の間にあるといえども、今はまだ海水温度は冷たいし、泳いで強行上陸もできない。であれば、楽観的に考えた方がいいのかも知れません。これは天が与えた絶好の休みの延長であると。オプチミスティックでいたほうが、人間、心身双方に良い結果を生むことは間違いないのです。

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 上の写真は、台北の海鮮料理屋「中央市場」で特定ビールの売り込みをするキャンペーンガール。香港、台湾ではこの種の売り込みが多いんですが、最近、日本の居酒屋でも見かけるようになりました。