つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

やはり対面飲み、しかも居酒屋がいい

 非常事態宣言が解除されて以降初めて、10月4日に対面飲み会をしました。香港時代の友人の家に集まり、複数人が参加しました。それまでその仲間とオンラインで飲み会をやったことがあります。自宅の小生の勉強机の上に、酒とつまみを用意して、LINEとか、zoomとか、「宅飲む」とかでの画面会合です。でも、今回、会ってみてしみじみ確認したのは、やはりオンラインより対面の方がいいよねということ。それは、オンラインだと話の反応がワンテンポずれるし、話に割り込むタイミングが難しい。隔靴搔痒の感ありです。

 対面で酒飲んで会話すると、同席する人の吐息とか、熱心さとかを感じることができます。しかも、個別に秘密のことも話せる。オンラインで複数が参加したりすれば、絶対秘密の話をすることはできない。その点でも対面がいい。実は、非常事態宣言中、何回か仲間の自宅に集まって飲んだことがありました。ただ、自宅飲みは最後のかたずけなどで自宅の人に迷惑をかけてしまうので、やはり恐縮してしまいます。

 そして、きょう、別の仲間ですが、久しぶりに神田西口の居酒屋で対面飲みをしました。注文すると、頼んだものが運ばれてくるのです。当たり前のことですが、やはり久しぶりの新鮮な感覚で、感動しました。ただ、非常事態が解除されたばかりのせいか、時間が早かったせいかは分かりませんが、神田の飲み屋街はまだ昔の面影はありませんでした。世間の人は自宅飲みに慣れてしまい、居酒屋の存在を忘れてしまったのではないかと心配してしまいます。

 きょう、久しぶりに横浜から東京に出て、都合3件の用事を一気に済ませました。午前中最初に会った人は健康食品会社の社長で、これも一年ぶりの会合。彼の話で面白かったのは、岸田文雄新首相とも知り合いだとのことでしたが、話を進めると、総裁選で支持したのは高市早苗だというのです。小生も「党友票に高市早苗と書きましたよ」と言うと喜んでいました。まあ、小生も感じたことですが、彼女は政策に詳しい。他の追随を許さない。半端ない政治家です。ですから、岸田がこけたら、次は高市ではないかと言っていました。同感です。

 2番目に訪れたのは、日中の建設関係をつなぐ業界団体の事務所。今後、業界誌に中国関係の記事を定期執筆してくれと頼まれたので、団体の幹部に挨拶に行ったのです。そこで感じたのは、対中国の政治関係は厳しいものがありますが、そんな中でも業界によっては依然中国で商売し、儲けている会社があるということです。ただその事務局の人が言うには、ビジネスマンは今、中国に行くのを怖がっている。容疑内容も明らかにされないまま捕まるケースもあるので、要注意だと言っていました。

 その事務局の一人がビジネスの関係で大連に行った折、地元の案内で大連港を遊覧し、何気なく港内の風景を写真撮影した。だが、そのあと2週間くらい経ったころに公安当局が現地の事務所にやって来て、「お前の撮影したものを見せろ」と言ったというのです。本人は何事か分からず驚いたが、るる説明してやっと理解され、放免されたという。なぜ、公安がそれだけ神経を尖らせていたかというと、当時、大連港に中国初の空母「遼寧」が停泊していたからのようです。

 遼寧はもともとヴァリャーグというウクライナ所有の空母で、廃船になるというのでマカオのカジノ業者が船内でカジノをやる目的で購入したものです。その購入の経緯は、カジノ業者が最初から本当にカジノ船にするべく買い取り、中国軍部があとになって介入したのか、それとも最初から真の買い手が中国の軍部であり、ダミーとしてカジノ業者に買い取らせたものかは判然としません。いずれにせよもともとオンボロ船で、中国が再び空母に造り直したものです。カタパルトが傾斜になっており、昨今多い垂直離着機の搭載には適しません。情報がすでにダダ漏れになっているそんな空母まで知られることを気にしているのかと思うと、唖然とします。

 きょう3件目に会った人は、小生が中国関係のコンサルタントをしていた時に、中国にレストランを開きたいと求められ、南部の大都市のある場所を紹介した人物です。彼は実際にイタリアレストランを開き、営業収支はトントンでした。だが、ホームシックにかかったのか、その後、日本に帰ってきてしまいました。1億円もかけて造ったレストランはそこに残したままで、結局、現地の中国人に盗られてしまったそうです。そういう意味では、紹介者の小生にも大きな責任があるのですが、彼は「最終的に行くと判断したのは僕だから」と言って、小生に恨み言など言わない。なんと人間ができた人で、これも感動ものです。

 上の写真は、横浜の街角に雑草のように咲く「香港花」。綺麗なんだが、ちょっと不気味。