つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

李下に冠正さずの意識なかったか、IR担当副大臣

 最近、鳴りを潜めていた東京地検特捜部が久方ぶりに動きだしました。その標的は大物とは言えないまでも現職の衆議院議員です。この年の押し詰まった時期、さらに、臨時国会が終わり、来年1月下旬の通常国会が始まるまでの1カ月余という比較的短期間。この間に捜査をやり終えおえようとする意気込みが感じられるので、標的を有罪にできる相当な確証をつかんでいるのだと察せられます。

 標的にされたのは、東京都江東区選出の秋元司議員。内閣府副大臣時代にカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を担当したそうな。なんたってカジノですから、利権がうじゃうじゃ。これを狙って有象無象の人間が権力者に寄ってくることは分かり切ったことですから、本来は李下に冠を正さず、瓜田に履を納れずのたとえで、細心の注意が肝要。まあ一般に公職者なら、最大限ボロを出さないよう身構えるものですが、秋元議員はそうでもなかったらしい。

 彼は中国のIR関連企業の意を受けて、沖縄で開かれたIR関連講演会に参加したり、IR候補地となった北海道留寿都村にわざわざ出向いて村長に協力を求めたりしています。留寿都村ニセコなどと同じようにスキー場があって中国人らが大勢来る観光地。であれば、中国企業がここに外国人向けのカジノを造りたくなるのは自然なビジネスセンスで、カジノ地選定の権限を持つ副大臣の秋元氏に”協力”を求めたのでしょう。

 その中国企業には日本人のコンサルタントがいて、彼が中国からひそかに数百万円の金を日本に持ち込み、一連の工作費用、運動資金に充てたようです。まあ、特捜部はその闇金の持ち込みの関連、つまり外為法違反で捜査に着手していますが、狙いは秋元議員。その金が彼に渡っているかどうかという点にあることは間違ない。秋元氏は中国企業が望む留寿都村に行くなどそれなりの行動をしているのですから、もし、それなりの”報酬”を得ているのであれば、立派な受託収賄です。分かりやすい贈収賄の構図だけに、秋元議員の脇の甘さが際立ちます。

 カジノ業者と言えば、ラスベガスのサンズ・グループやマカオのスタンリー・ホーの企業が有名ですが、今回驚いたのは、中国国内にも海外のカジノ建設に関与する企業があったということ。これまで中国企業が日本の水源地や温泉施設を買ったりしている話は聞きますが、日本のカジノまで手を突っ込んでいるとは夢にも思いませんでした。日本はカジノで得た資金によって衰退気味の地方の再生を目指しているのですが、その資金を海外企業に持っていかれるのではたまったものでありません。

 さらに、心配なのは、件の中国企業が単にカジノ関与だけに終わるのかという点。あるいはカジノをきっかけに北海道や沖縄の一定の土地確保を狙っているのではないか。日本人は概して国土防衛、安全保障意識が薄いので、日本の土地が外国人に買われることに無頓着。気が付いた時には、外国人に土地の所有権(日本は特に強い)を主張されて、にっちもさっちもいかなくなる危険性もあります。そういう安全保障上の視点も持っておく必要があるかなと思います。

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 上の写真は、小生の通う市川の大学近くにある日蓮宗真間山弘法寺の境内の紅葉。この寺は春にしだれ桜、秋にはもみじで有名です。