つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

飲み屋街から自宅までの鼻歌

 小生は現在、横浜の桜木町駅周辺にある下町風の飲み屋街「野毛」の近くに住んでいます。ですから、野毛で飲むときには、帰宅時間を考えなくていいので、ついつい遅くなってしまいます。思い起こせば、飲み屋街に近いこんな環境に住んでいたことって、過去にもありました。
 1980年代半ば、北京から帰ってきたとき、市ヶ谷仲之町の社宅に入居しました。昔の”文化住宅”風で、鉄筋4階建てのアパートでありながら、個々の部屋は狭いスペースでした。狭いことさえ我慢すれば、場所は都営地下鉄曙橋駅のすぐ近くで、しかも住宅街の一角にあり、周辺は静かで申し分なかったのです。
 そのうえ、この曙橋は新宿三丁目まで一駅、つまり日本最大の飲み屋街・新宿に近かったことが気に入っていました。ゴールデン街新宿三丁目などで酒を飲んでいても(幸か不幸か歌舞伎町には近づかなかった)終電を気にすることない。ですから、午前様になることは年中でした。
 新宿から自宅に帰るには、新宿通りか靖国通りをぶらぶらと市ヶ谷方面に歩きます。途中腹が減ったからとラーメンなどを食べても、1時間以内には家にたどり着けました。新宿通りでは四谷三丁目まで歩き、三丁目の交差点を左に折れて、曙橋まで下っていきます。この交差点近くに「大陸ラーメン」という店があり、ここのにんにくの効いたぎとぎとラーメンが好きでした。
 この先の「一心ラーメン」というごく細の麺で売っているいる店もあり、マスコミに取り上げられたりして結構夜中に繁盛していましたが、小生はどちらかと言うと大陸ラーメン派。札幌ラーメンを抜かせば、今でも一番うまいラーメン店だと思っており、たまに食べたくなります。
 靖国通りは新宿通りに比べてちょっと殺風景で、酔いながら歩いていても面白みがないのですが、ただ、家に帰るにはこのルートの方が近道。ですから、いつもどちらのルートで帰ろうか迷いました。まあ、タクシーで帰っても1000円超程度なのですが、夜中に鼻歌でも歌いながら、ふらふら歩くのもまた一興です。
 野毛を新宿のにぎやかさに比べることはできませんが、それなりの飲み屋街の風情を持っています。気取った店が多い横浜で、野毛の存在は貴重です。ただ、年をとったせいか、今では午前様になることはないし、飲み屋街から自宅までの距離が近いために、鼻歌を歌うという高揚感もないうちに着いてしまいます。
 下の写真は、地下鉄丸ノ内線東池袋駅周辺にあるイラン料理店の店内。イラン人のマスターが母国の歌を歌い、楽器を演奏するパフォーマンスもあります。