つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

武力の背景のない外交は無力

 「外交の延長線上に戦争がある」と喝破した元プロイセンの軍人、クラウゼビッツの言葉を持ち出すまでもなく、外交の裏側に軍事力がなければどうにもならないことは明明白白になってきました。日本のように、憲法で最初から国際紛争武力行使しないと宣言していれば、当然、周辺国の餌食になってしまうでしょう。今回の尖閣諸島への香港人上陸、さらには竹島への韓国側の威嚇の問題を見ると、そう理解せざるを得ません。
 われわれは、自国の領土であるにもかかわらず、中国側の主張に配慮し、70年代以降一貫して尖閣諸島には手を触れずにきていました。国際紛争を起こしたくないという日本側の気持ちであり、相手側への配慮、善意でもあります。しかし、中国側は、特に最近、そんなことはみじんも忖度することなく、無謀な主張を繰り返し、かつ漁政船を再三尖閣領海内に侵入させています。国際政治というのは、善意が通じないことがこれでよくわかります。
 中国は、政治力(所詮一党独裁の帝国型政治ですが、、)に加えて、経済力、軍事力も日本を上回っているということで、今が日本たたきのチャンスとばかりに、なにやら本格的に尖閣諸島盗りに来ています。政府スポークスマンは、尖閣魚釣島に上陸した香港保釣メンバーを即時釈放しないと「報復する」と脅しています。報復とは経済面に限らず、軍事面も含むのでしょう。こう見ていると、やはり外交は最後に力の勝負ができるか、する勇気があるかという点までいってしまうようです。日本に今必要なのは、領土を侵犯されたら戦うという明確な意思だと思います。
 日本は北方4島を固有の領土として主張していますが、ただの一度も挑発的な態度に出たことがありません。あるいは、尖閣への香港人接近のようなことを日本人が北方4島にしたら、ロシア側が銃撃を加えてくるのは間違いありません。それだけ軍事力に訴えてもいいという決意があるからです。ロシアは最近でもチェチェングルジアとの戦争を経験しており、武力を使うことに躊躇しません。
 竹島について、日本は領土主張をするものの、一度も挑発的な態度を取ったことがありません。それでも、実効支配している韓国の方から挑発してくるってどういうことですか。よほど日本との戦いを望んでいるとしか思えません。韓国はかつてはベトナム戦争に参戦しているし、徴兵制を敷いて北朝鮮と対峙しており、軍事力行使にそれほどのハードルも壁もないはずです。ましてや、100年来の”敵”である日本が相手なら戦う気力十分であり、国民はもろ手を挙げて賛成するでしょう。だからこそ、日本を挑発しているのです。相手が挑発的で、こちらが萎縮していれば、すでに勝負は決したも同然です。
 最後に戦う意思がない国は、されるがままにされるだけです。それでいいのか、日本人としての矜持は保てるのか。9条を守るとかいって、国が滅びてもいいのか。日本の政治制度、経済システム、文化、伝統を傷つけられていいのか。ぼろぼろにされてもいいのか。あるいは、それでいい、侵されても戦いたくないという考え方もあり、それはそれでひとつの選択。でも、小生はそんな国にしたくない、戦うべきとは戦わなければならないと思うのです。
 下の写真は、郡上市八幡町にある名水「宗祇水」。