つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

北の強硬姿勢には裏がありそう

 米韓両軍が11日、予定通り合同軍事演習「キー・リゾルブ」を開始しました。これに対し、北朝鮮は労働新聞などで朝鮮戦争休戦協定の「完全白紙化」を再度宣言すると同時に、「最高司令官が署名した作戦計画に基づいて全面対決戦に突入した」「砲身と戦略ロケットが発射を待っている」などと脅し文句を並べ、南北軍事境界線上にある板門店の南北直通電話を遮断したとのこと。ますます緊張が増した感じですが、あえて不謹慎な言い方をさせてもらうならば、小生的にはなにやら興味深い状況になったという印象です。
 産経新聞は、東シナ海に絡む中国の対日威嚇に対してはいつも大々的に報道していますが、今回の北朝鮮の一連の脅しには、それほど大きな紙面を割いていません。二面に3段程度。ギャーギャーとわめいたって、しょせんいつものオオカミ少年。何もできないだろうし、やるにしても大したことはできまいと踏んでいるためでしょうか。
 ただ、最高司令官の金正恩大元帥」も、これだけこぶしを振り上げた以上、このまま引き下げるわけにはいかないでしょう。では今、何ができるのか、ちょっと想像がつきません。休戦協定を破棄したからといって、まさか38度線を破って南に侵攻してくることは考えられませんね。中国とソ連の支援があって、韓国が比較的弱体だった1950年の朝鮮戦争開始当時と今では状況が違いすぎますから。
 延辺島への砲撃のようなことをするのか。これも今度やったら、韓国が黙ってないでしょう。即座に反撃に出るに決まっています。朴クネ大統領は就任したばかりの割には、それほど人気がなく、今後の政権回しに苦労しているとのこと。ですから、北の挑発に対し、ここで弱腰になったらますます支持を失うでしょうから、断固たる姿勢を見せ、きちっと反撃するに違いありません。
 韓国への攻撃でなく、直接米国に対して危害を加える行動に出るか、ですが、これも100%に近く考えられないことです。偵察衛星北朝鮮内の動きはすべて観測されており、もし、再度ミサイル発射などの動きを見せれば、グアム島から長距離爆撃機が飛んいくことは目に見えています。いや、合同演習中なら空母から直接攻撃に行くことも可能。米国は自国が北ミサイルの射程に入ったことで神経質になっており、今度は容赦しないでしょう。
 ということで、金正恩は打つ手がないですね。策に窮すると思います。となると、裏読みの小生からすると、この北朝鮮の強硬姿勢にはなにやら別の意図があるように思えてしかたないのです。その狙いは何か。チキンゲームで金正恩を追い込んで、最終的に何もできないことを満天下にさらし、彼の国内での信用を劣化させ、カリスマ性を奪うことではないでしょうか。
 その仕掛け人は軍部の一部か、はたまたその後ろに中国がいるのか。中国は少なくとも北朝鮮の崩壊は望んでいませんが、だからといっていたずらに朝鮮半島に緊張をもたらすことも求めていません。金正恩が言うことを聞かないのであれば、これを排除するしかありません。ただ、無謀なことはできないので、その筋道をきちんとつけることが必要です。今回の事態は、金正恩排除の仕掛けの一環とも考えられます。
 となると、これは北朝鮮の国内問題。敵対勢力の意図を知って内戦に向かうのならいいのですが、金正恩は本当に見せかけ通りの強硬路線を突っ走り、外国攻撃という自滅の道に向かう可能性もゼロではありません。その辺は我が国もしっかり用心しておかなければなりません。