つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

金正恩は夜郎自大か

 北朝鮮の若き”将軍さま”も相当の自信家のようです。米国NBAの有名選手デニス・ロッドマンを自国に招待し、一緒にバスケットの試合を見物しながら、「私は米国と戦争をしたくない。オバマ大統領が私に電話するように言ってほしい」と伝言したとか。この人、スイスで勉学した割には、夜郎自大で世間が見えてないようです。
 この話、朝のワイドショーで出たとき、みのもんたさんが透かさず、「自分の方から電話したらいいじゃないか」と反発していましたが、普通の感覚ならみのさんの言うとおりでしょう。ひたすら相手が先に電話をすべきだ、先方の方から命乞いをしてこいなどと求めるのは、何をえらそうにと思うし、世間常識を逸脱しています。ちょっとくらい核兵器を持ったからといって、大陸間弾道弾を持ったからと言って、米国と対等か、あるいはそれ以上の目線で国家関係を見るのは、僭越の極みというものです。
 案の定、オバマ大統領から相手にされません。北の放送では軍人が出てきて、休戦協定破棄だとか、米国を火の海にするとか脅していましたが、米国はびくつくものではないのです。逆に、国連を使って経済制裁の強化を粛々と決めています。いくら北朝鮮が言葉をエスカレートさせても、米国は現時点で北の方に戦争を構えるだけの能力、意図もないと判断しています。つまり、高を括っているのです。
 としたら、北朝鮮はこのあとチキンゲームをどう展開させてくるのでしょうか、もう十分過激な言葉を吐いているので、このあとの切り札に困ってしまうのではないですか。延辺島の時のように再び越境砲撃したり、38度線を軍隊が越えたりの実戦に出れば、今度は韓国も黙っていないでしょう。米軍もその反撃戦に協力するでしょうし、頼みの中国も、今度ばかりは助けそうにありません。
 もともと、核もミサイルも、米国と交渉することで自らの王朝体制の安全を図ることが目的ですから、チキンゲームの結果戦争になったら、元も子もなくなるというものです。本当の戦争になれば、自分の首を絞める、すなわち金王朝が壊れる危険性があるのです。金正恩おぼっちゃまもそんなことも分からず、ひたすら戦争に邁進してくるほどバカではないでしょう。
 要は、脅しの道具などというのは、公にしない方がいいし、言葉は過激にならない方がいいのです。イスラエルは決して核兵器を持っているとは言いませんが、多分所持しています。こういう武器は秘められているからこそ、むしろ不気味な感じを相手に与えるもの。大声でわめき立てるのはチンピラ、三下やくざだけです。