つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「永遠のゼロ」、テレビドラマも良かった

 前回、岡田准一が映画「永遠のゼロ」で日本アカデミー賞を取ったことなどを書きました。ケチを付けるわけじゃないけど、「日本アカデミー賞」という命名にはがっかり感があります。米国のアカデミー賞を真似したもので、二番煎じのイメージが否めないからです。もっと日本語のいい表現を使った命名はなかったものか。日本の映画部門で一番権威がある賞だけにちょっと残念です。
 それはともかく、小生、「永遠のゼロ」は百田尚樹の小説を最初に読み、そのあと映画を見、最近では三夜にわたるテレビドラマも視聴しました。やはり最初に接した小説がストーリーの展開の意外さもあり、一番感動しましたが、アカデミー賞を取った映画の岡田の演技も良かったです。でも、映画は時間が限られているので、かなり原作を端折っていました。抜け落ちた部分でかなり面白いところがあったので、もったいないなという感じを持っていました。
 その点、三夜のテレビドラマはかなり原作に忠実でした。特攻隊員でありながら生き残り、今では企業幹部となった男が、朝日新聞とおぼしき記者に対し、「君の新聞は戦前大衆を戦争に向けて煽り、今は逆のことをして国益を損ねている」と叱責する場面や、主人公の宮部久蔵が落下傘降下中の米兵を撃ち殺すところ、死亡した米兵が自分の妻のヌード写真を持っていて、それを遺体とともに葬るところなども見事に再現されていました。
 宮部を演じた向井理の演技も悪くなかったです。いや、原作では宮部は背の高い男となっていますので、非情な言い方をすれば、背の低い映画の岡田よりテレビの向井の方が原作に合っていたように思います。妻役は、井上真央より多部未華子の演技力の方が勝っていたのでは。そのほか、老人になった元飛行機乗りたちの配役が素晴らしい。舞台回しをする佐伯慶子役も、広末涼子の方がうまかった。
 小説が450万部以上売れたというのに、テレビドラマの視聴率がわずかに第1夜9.0%、第2夜7.5%、第3夜9.9%と、すべて10%にも達していないのに驚きました。小生の印象では、もっと行ってもいい、最低15%以上取ってもいいと思いました。すでに小説や映画でストーリーが分かっているので、”3番煎じ”の感があったからでしょうか。でも、ストーリーが分かっていても、テレビドラマの出来は良かったと感じました。

 上の写真は、横浜みなとみらい地区の臨港パーク内あるフルーツツリーの造形物。