つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

米国は斬首作戦を実行するのではないか

 北朝鮮は先日のICBMに次いで「水爆」実験成功などと発表しています。なんだかんだと自分の方に目を向けてほしいという”幼児症候群”のようで、いちいち付き合うのもばからしいこと。それでも一定の脅威になりますから、世間は放っておけません。日本のメディアも大きく取り上げています。
 北はICBM核兵器開発を並行して行っていますが、両者には明らかに違いがありますし、諸外国もそう見ています。ミサイルはロケットと言葉を換えてもいい、つまり人工衛星の打ち上げにも利用される運搬手段であって、これ自体は武器ではありません。問題は弾頭に何を載せるかなのです。
 弾頭に小型化された原水爆を搭載するというのが、国連常任理事国5大国にとっては悪夢なのです。これまで核を独占してきた彼らの権威に関わることだからです。もちろん、インド、パキスタンイスラエルもすでに核兵器を所持していますが、これら諸国は核を厳重管理する約束をしているので、見逃されてきました。
 それに比べて、北朝鮮ならず者国家で、ある意味イスラミック・ステート(IS)が核を持つのと変わらない。それ故、北朝鮮の隣国の中国とロシアも脅威、とりわけ金正恩の異常性格を見れば、恐怖感を募らせるのは当然です。ICBM時と違って今回、両国が手厳しく批判したのはそういう背景があります。
 加えて、中ロは現在、ブラジル、インド、南アフリカとともに福建省アモイでBRICS会議を開いている最中であり、北がこの時期に当てたことは、まさに中ロのメンツもつぶすことを意味します。習近平プーチンも怒るのは当然でしょう。
 恐らく両首脳も、北朝鮮は存続させるものの、あの刈り上げ君の支配がこのまま続くのがいいとは思っていないでしょう。そこで注目されるのがマティス米国防長官の言。「軍事的なチョイスは、北の体制を崩壊させるものではない」などという趣旨のことを言っていました。
 これは意味深長で、米国は、刈り上げ君さえ排除できればいい、38度線の国境は変えないというメッセージを送ったものと受け取れます。つまり、本格的な戦争でなく、北の内部分裂を前提とした刈り上げ君の斬首作戦を行うという意思表示です。
 米国はすでに斬首作戦実行で中ロの了解を取っているのではないかとも思われます。ただ、かつての中東の独裁者やルーマニアチャウシェスクのように一人の斬首作戦のキャリーアウトで済むのか。それとも、指導者を殺されたということで本格戦争になってしまうのか。その辺の見極めが重要になってきています。

 上の写真は、横浜・関内駅近くの牡蠣鍋屋で中国人の友人とともに食べた蒸しがき。夏のかきもまた良し、でも生がきは中毒が怖くて食べませんでした。