つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

杉本昌隆八段門下と式秀部屋の違い

 ちょっと旧聞になりますが、大相撲の式秀部屋に関する話題。この部屋が国技館からかなり離れた茨城県竜ケ崎市にあるというユニークなところを除けば、目立たない存在です。親方は北の湖の弟子で幕内にやっと上がれたような元・北桜という人で、部屋の力士も三段目下位以下の番付の者ばかり。この中には、序の口で70数連敗という連敗記録を持つ服部桜なる奴もいて、まじめに相撲道に取り組んでいるのか疑いたくなるような部屋なのです。この部屋が最近、脚光を浴びました。親方夫人がパワーハラスメントを働き、所属力士が集団脱走したというのです。お笑い相撲部屋ですね。

 ユーチューブで人気を博した服部桜という力士。動画を見ると笑ってしまうのですが、相手が大型力士だと怖くて戦えないのか、彼は仕切りから立ち上がったあと、相手に触れることなく自ら後ろに倒れたり、さらには前につんのめったりで”自爆”するのです。また、別の取り組みみを見ても、痩せて非力ですから、相手に簡単に押し出されたり、寄り切られたり。まったくひどい力士です。お前、大相撲を舐めてんのか、と思わず言いたくなってしまいます。これでは恐らく、わんぱく相撲に出てくる小学校高学年にも勝てないでしょう。

 服部桜はなぜ”万年序の口”に満足しているのか。このザマを続けて今後の人生はどうなるのか、貴重な青春時代、部屋で飼い殺しにされてしまっていいのか、小生としても老婆心ながら彼の行く末を憂います。本来なら、親方は「お前は適性がないから、別の道を行け」と諭すのが普通ですが、七月場所現在、依然服部桜は辞めていません。部屋が彼を辞めさせないのは、ネット情報によれば、力士がいれば、その数だけ相撲協会の方から錬成費がもらえる。だから頭数をそろえるために必要なんだと言われています。これもひどい話です。

 こんな部屋ですから、問題が起きるのは当然でしょう。でも、親方自身のパラハラは良くあるけど、親方夫人のパワハラとはちょっと驚きました。支援者からもらった新米を自分の親戚に回し、弟子には古古米を食べさせるとか、電気代がかかるから部屋のコンセントを自由に使わせないとか。およそ愛情をもって弟子を育てるといった風情は見えません。まあ、親方は部屋を持っていること自体で満足し、弟子の出世は考えていないようですから、式秀部屋からは金輪際関取などは出ないでしょう。

 弟子を育てるという点で最近、注目されているのが将棋の杉本昌隆八段。今、その強さで盛んに注目されている藤井聡太二冠の師匠です。テレビに出てくる杉本氏を見ていると、本当に人が良さそうで、弟子を優しく包み込む優しさが感じられます。藤井君がタイトル戦に出るとなると、100万円以上の大枚をはたいて和服をプレゼントしたそうな。現在の所得は明らかに藤井君の方が多くなっているのでしょうが、それでも弟子の晴れ舞台を思い、プレゼントする杉本氏の心根は感動させるものがあります。

 杉本門下には藤井君の上に室田伊緒女流二段という女性棋士もいて、その門弟たちの交流もネットで報じられています。実にほほえましい。これも師匠の杉本八段の温かみがあるが故のことでしょう。師匠の優しさが藤井君の才能開化に影響していると思います。それに比べると、やはり式秀部屋は”商売”でやっている感じがします。パワハラの親方夫人は元福岡中洲でクラブのママをしていたそうで、その経験からすれば、部屋経営もビジネスライクにやるのは分からないでもないですが、弟子たちはまだ20歳前後の”子供”なんでしょうから、もう少し思いやりがあってもいいのかなと思います。

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 上の写真は、紫陽花の一種。ちょっと季節外れですが、なかなか綺麗に写っているので出しました。