つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

肥満がコロナ感染、重症化の原因って本当か

www.kazankai.org

 香港の華文ニュースを読んでいたら、面白い記事を見つけました。英国のボリス・ジョンソン首相は、自らが新型コロナウイルスに感染したことの原因の一つに「肥満」があったとの認識から、1000万ポンド(約14億円)を投じて肥満撲滅キャンペーンの展開を決めたというのです。首相の実体験を基にすぐに政策をつくり、実行に移すこと自体、なかなか”見事”なのですが、伝統ある国家、英国が当面の政策のプライオリティーとして「肥満対策」を上げ、それに全力を傾注するというのも何か滑稽な感じがしてなりません。

 キャンペーンの中身を見ると、第一に肥満を防ぐために運動を奨励しています。特に医者が肥満の人に対し「サイクリングが良い」と勧めるよう要請。そして、車社会から自転車社会への転換を図るため、ウイークデーの自転車通勤、休日の長距離サイクリングを促し、そのために自転車専用道路を増設したりすることも政策に盛り込んでいます。サイクリングがダイエットに良いことは否定しませんが、体にいいのはサイクリングだけではないでしょう。偏った奨励に何かへんな意図が感じられます。

 さらに、政府の政策は「ジャンクフード」が肥満の原因になるとし、国民にこれらの食品をなるべく取らないように求め、午後9時以前にジャンクフードのテレビCMを流すのを禁止するとしています。それはともかく、英国ではジャンクフードってどう定義しているのだろうか。ウィキペディアによれば、「高カロリーの、栄養価のバランスを著しく欠いた調理済み食品のこと」となっているけど、結構具体的に商品名を挙げるのは難しいのではないでしょうか。

 ジャンクとは「がらくた」とか「屑」とかの意味であり、ジャンク製品、ジャンク債券などと悪い言われ方しかありません。ジャンク食品について、われわれの一般的な認識では、スナック菓子やハンバーガーなどを思い浮かべます。が、「湖池屋のポテトチップ」とか「マクドナルドのハンバーガー」とか、具体的な商品名を挙げたら、メーカー側が営業妨害だとして怒るでしょう。実際に英国内では今、マックなどのCMはどうなっているのか。午後9時前にはマックCMはできないのでしょうか。 

 ジョンソン首相は、自身が肥満であった故にコロナに感染し、集中治療室に入るほど重症化したと固く信じているようで、それゆえに本来の新自由主義的なスタンスをかなぐり捨てて肥満対策に熱心に取り組み始めたようです。確かに、英国は欧州ではマルタに次いでの肥満国、3分の2の成人が標準体重を超えていると言われています。イングランド公衆衛生サービス(PHE)によると、肥満者は、新型コロナウイルス感染による死亡リスクが痩せた人に比べて4割ほど増加するとの研究結果も出たとか。

 でも、ジョンソンが言うところの、肥満であるが故にコロナ感染リスクが高まるというのはちょっと信じられないし、肥満が故に重症化する病気がコロナだけとは限りません。肥満は昔から、成人病の元、諸病の原因と言われています。小生の経験からしても、体重が80キロ近くあった時には、尿酸値アップばかりでなく、糖尿値やコレステロール値も悪くなっていました。そのために痛風高脂血症を防ぐための薬を恒常的に飲んでいました。胃の除去によって食が細くなり、痩せたことで、もうこれらの薬とは縁が切れましたが、、。

 結論として、肥満は諸病に悪いのであって、コロナに限らないでしょう。ですが、コロナを奇禍として国民の総ダイエットキャンペーンを展開するのは悪いことではないと思います。米国でもブラジルでも,、コロナの重症化、死亡者が多い国々は成人病も多発しているのでしょうから、英国にならって総ダイエットキャンペーンを進めたらいかがでしょうか。 

f:id:higurashi-takanori:20200823193133j:plain

f:id:higurashi-takanori:20200823193117j:plain

 上の写真は、8月15日夕方の横浜・中華街。友人が訪ねて来たので、一緒に重慶飯店本店でメシを食べました。お盆休みの週末の割には道路も店も空いていたのは、悲しむべきことか。