つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

アパレル社長の宇宙行きは大偉業だ

 年末はいろいろ話題が豊富です。取りあえず、今日宇宙から帰還したzozoの前澤友作社長の話題から取り上げます。正直、あの田舎臭い顔は宇宙空間に似合わないけど、その行動力には尊敬の念を覚えます。米国ではIT、EV関連の最先端企業のオーナー、CEOが宇宙に関心を示しますが、まさかアパレルメーカーの御仁までとは…。なんてと思うのは大変失礼ですが、失礼を承知で言えば、これが率直な感想です。いずれにしてもものすごい偉業だと思います。 

 テレビのワイドショーを見ていたら、宇宙に行くのに100億円単位の金がかかるそうな。ですから、コメンテーターは「もっと他に金の遣い道があるだろう」「金がなく満足な年越しもできないような人が大勢いるのだから、彼らにプレゼントすることは考えなかったのか」などと批判していました。それも正論でしょうが、ある意味、余計なお世話。自分で儲けた金は基本的に自分で自由に遣う権利があります。彼は昔からの夢を実現させるために大金をはたいたのです。企業をやってきたのもその目標があったからだと思います。長年の夢実現、それはそれで立派なことではありませんか。

 衆院細田博之議長が今日開いた政治資金パーティーの席上、一票の格差是正のために政府が「10増10減」を進めていることに苦言を呈しました。「地方の議員を減らして都会の数を増やすだけが能じゃない」と語ったとか、まったくの正論で、小生はまったく同感です。彼は島根県の出身で、次の10増10減の影響は受けない。でも、敢えて正論を吐いたのです。これまた立派な行動です。田舎の議員を減らして首都圏の議員数を増やしていったい誰が喜ぶのでしょうか。

 首都圏の議員はますます選挙区の区割りが小さくなるので、どぶ板選挙に追い込まれ、他党のライバルに勝つために果物や肉を配ったりしなくてはなりません。そういう議員はすでにいました。国全体の政策、例えば外交、安全保障政策などを考える余裕がなくなってしまうことも考えられます。また、首都圏は人口流動が激しいので、有権者は議員との接点が案外ない。そのために議員の信条や行動を見ることなく、時世の風に流される投票行動になります。テレビで風が作られるとワッーとそちらの方になびく可能性が大です。それは一種危険な衆愚政治につながる恐れもあります。

 一票の格差是正なんて実にナンセンス。これを吹聴しているのは、恐らく左派系の弁護士連中かと思います。左派系連中は都市の議員数が多くなれば、有利になると考えているようですが、実はそれほどでもないのです。風に左右される分だけ安定的に当選を重ねるのは難しい。これは左派であろうと、保守であろうと同じです。長く議員が続けられないとなると、さまざまな分野の人たちと交流し、意見をくみ上げることはできず、地に足を着けて政策を練ろうという気持ちは起きない。都会集中の議席構成は”風選挙”を呼び、結果として国民を不幸にしてしまうだけです。

 最後に神田沙也加さんの死去について。正直なところ小生には、35歳という生命の盛り、美しさの絶頂の時に死ぬのか、あるいは死を選ぶのかという感傷しかありません。公演のため滞在していた札幌のホテルを見ると、どうも事故、他殺には見えない。恐らく自ら死を選んだのだと推察されます。で、ワイドショーなどはそれを前提に、盛んに「悩んだ時にはどこそこに電話ください」などのテロップを流していました。自殺だとしたら、悲しすぎます。

 彼女は才能豊かなタレントだったと思います。映画「アナと雪の女王」で彼女の歌声を聞きましたが、母親譲りの高音が素晴らしかった。見るところ、仕事、彼女の場合ミュージカル女優としての仕事は順調だったようだし、いったい何に不満があったのだろう。うつ病にかかって発作的、衝動的に飛び降りたか。小生は子供がいないので実感できないのですが、もし親だったら、悲しんで余りある。子供は親より先にあの世に行こうとしてはいけないのです。

 上の写真は、雨の日の国会議事堂。衆院第一議員会館で講演会があった時の撮影。銀杏が散りかけている。