つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

橋下船中八策、小生の考えと同じ

 橋下大阪市長率いる「大阪維新の会」が国政参加の方向性を示す「船中八策」を発表しました。年金問題などでいくつか小生には不明な点があるのですが、政治制度や外交・安全保障、経済政策などでは小生の考え方と一致しており、やはりという感じで嬉しくなりました。ただ、問題は憲法を改正しないとできないものもごちゃまぜにしており、この点を既成政党からこっぴどく難くせがつけられました。できれば、現行法改正でできること、憲法改正を伴うことを分けて発表したら良かったと思います。
 橋下八策は、いままで不明だった外交・安全保障について、日米同盟を基軸にするということのほかに、さらにオーストラリアとの連携強化をうたいました。その通りで、アジア、オセアニアは近いところにあるわけですし、価値観も同一なのですから、もっと連携を強める必要があります。沖縄の負担軽減はもっともなことですが、同時に、沖縄が東シナ海安全保障の重要拠点であり、沖縄の基地が米国のためでなく日本自らにとっても必要であることを確認し、米国に頼るだけでなく日本独自の防衛力を高めていくことも強調していかなければなりません。チープガバメントを目指すにしても、安全保障は怠ってはならないのです。
 政治制度における地方分権道州制の導入と地方交付税の廃止は大賛成です。日本はもう霞ヶ関中心の一極支配でいいはずがありません。地方地方の州政府が独自性を発揮し、互いに競って魅力ある地域を創造し、多くの人が住めるようにすることが大事です。地域間の競争はかならずいい結果を生みます。そのためには州が独自の税制を持ち、その金を勝手に使えばいいのであって、中央から交付金などの形でもらう制度はなくすべきです。
 経済政策に関して、橋下八策が消費税を中心とした増税とTPPへの参加をうたっていますが、これも小生がこれまでブログで書き、求めてきた方向であり、大賛成です。ですから、消費税引き上げ反対などを叫ぶ民主党小沢一郎一派、亀井静香一派、無内容左翼政党などと同一歩調を取るのはやめてください。こうした無責任グループと共闘姿勢を示せば、すぐに支持は失われます。
 首相公選と参議院の廃止は小生も賛成ですが、これは憲法改正を伴いますから、今すぐにできませんね。ただし、現行憲法下でも実質的に首相公選に近い制度を作り上げることは可能で、それは以前、このブログでも紹介しました。元衆院議員の岩国哲人氏からうかがった案で、比例区に各政党が首相や閣僚となるべき候補者を並べるというやり方です。憲法を改正しないままの実質公選制をぜひ考えてほしいと思います。
 参議院の廃止も憲法改正なしにできないのですから、段階的に人数を減らし、まず米上院議員のように都道府県各2人の94人程度の議員にすることにしたらどうでしょうか。小生は前に書いた通り、選挙民の数による議員数の割り当てには反対であり、どの地域からも万べんなく代表を選ぶという観点に立って、完全地域割り当てにすればいいと思っています。それをしないと、ますます過疎の地域の意見が反映されず、大都市の意向ばかり尊重される政策展開になってしまうからです。
 まあ、道州制が機能し始めれば、しょせん中央の国会議員というのは外交や防衛、大きな経済政策、教育制度など大方向を議論するだけのところになってしまうので、衆参双方で大幅に議員定数を減らしていいはずです。現行制度で何よりもおかしいのは、参議院で議員が政党所属だったり、政党の党議拘束を受けたりすること。これだとミニ衆院になってしまい、存在理由がありません。これは今すぐにでも是正可能ですから、政党縛りだけは先に止めるようにしていただけないでしょうか。
 下の写真は、昨年12月、宮城県石巻市津波被災現場に行った時の一枚。海岸わきの道路にあった「鯨大和煮缶詰」の宣伝用大モニュメントはものの見事につぶされ、転がされていました。これだけでも津波の恐ろしさが伝わってきます。