つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

清武問題講演会の結果

 先週土曜日、建国記念日の日に渋谷・道玄坂にある中華料理店「パンダ・レストラン」でミニ講演会「パンダの会」の第一回会合が開かれました。オーディエンスはマスコミ関係者を中心とした「おつな寿司セミナー」と同じ。講演のテーマは「清武問題のその後」で、講師は日刊スポーツ幹部の内山泰志氏にお願いしました。結論的に言えば、プロ野球取材経験豊富な同氏だけに面白い内容でした。
 内容は小生がある程度予想した通りです。マスコミ業界では清武氏というのは感じの悪い男で通っているそうで、特にスポーツ各紙で清武擁護の論陣を張ったところはなかったのは、やはり彼個人の資質によるところが大です。内山氏によれば、彼は取材記者に対し非常に支配的で、自分の意に沿わない記事を書いた記者をすぐに出入り禁止にするなど、元新聞記者にあらざる横暴な態度が見られたというのです。
 それに対し、あの読売新聞の御大はさすがに政治家に食い込んできた敏腕記者だけに人たらし。自らを取り巻く取材記者も非常に大事にしているといいます。御大が外で会合を持つ場合、取材記者が大勢外で長い間待っているわけですが、ほろ酔い気分の御大は出てくるなり、「俺も記者だったから、君らの気持ちはよくわかる」と言い、翌日の一面が書けるような内容をさらっと漏らすこともあるそうです。今回意外にも取材記者の間から御大批判はなかったのは、そういう気配りがあったことが理由です。つまり、ここは完全に2人の間に人徳の差があり、勝負にならないのです。
 それから、日本シリーズに出た中日の落合監督などは、シリーズ第一戦の前日にあの記者会見を開いたことに激怒、コミッショナーは何をしているのかと語っていたそうです。一般的に、日本シリーズプロ野球界の最高峰、すべての人が注目しなければならないイベントであり、本来は野球関係の発表はこの前後遠慮するそうです。
 そんな時に、あんな私怨のような会見を開くのはけしからんというのが落合氏の主張です。まったくその通りでしょうね。それにしても、日本ではコミッショナーがお飾り的な名誉職で、機能していないのですが、その原因にコミッショナーの権限拡大を嫌がるオーナー連中の存在があることも内山氏から指摘されました。
 今回、清武氏、読売双方が裁判沙汰にしたわけですが、結論的に言えば、清武氏が読売、ナベツネ側のコンプライアンスを問うのは難しいだろうとの見通しです。これは内山氏個人の見解でなく、彼なりに法律家などに取材した結果でもあります。オーディエンスは半分以上が元マスコミの人間ですから、新聞業界から見た清武問題、読売社内の対立の構図など別の視点からの問題提起もありました。内山氏からはそのほか、野球界の裏話を聞きましたが、ここでは差し障りがあるので、書きません。なかなか興味深い講演会となりました。
 下の写真は、群馬県みなかみ町「匠の里」にある小物店の店内。ご主人は陶器に絵を描くプロ作家であり、来店者も希望すれば自ら好きな絵を描く体験ができます。