つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

昭恵夫人は夫死去で初めて優しさ感じたよう

 「安倍晋三元首相が凶弾に倒れる」という第一報をスマホ上で受けたのは、小生がちょうど滋賀県大津市三井寺を散策している時でした。最新作の時代小説「新選組最強剣士-永倉新八恋慕剣」でこの寺を題材に使ったので、再検証のための訪問です。すぐに第2報で死去の報が入り、驚きました。8年以上首相を務めたというのは、基本的にはこの人は国民に好感を持たれていたからだと思います。小生も、その安全保障の思考などもろもろの上から支持していた一人ですから、至極残念な出来事だと思います。

 メデイアによると、「自由で開かれたインド太平洋の安全保障」という言葉は、安倍氏が創ったものだとのこと。これは、中国の進出は太平洋ばかりでなくインド洋にも及ぶということで、インド洋を囲むインドやオーストラリア、さらには中東、アフリカを覚醒させる意味があったのだと思います。この結果、残念ながら中東からは明確に中国の一帯一路への反発は聞かないものの、債務漬けされたアフリカ諸国の一部では中国への不信感が出てきたように思います。この言葉によって、日米豪印のクアッドなどの連携が生まれたのは事実でしょう。

 安倍氏は、アベノミクスで「3つの矢」を言いました。インフレ目標2%という金融緩和、公共事業投資など大規模な財政出動、新たな産業を起こす成長戦略の3つ。成長戦略やインフレ目標2%と大幅な賃金アップはなかなか実現できなかったが、アベノミクスの強調で、株価、成長率、雇用などの経済指標は著しい改善が見られました。経済は「気」の問題っていうけど、安倍氏は見事に「気」を煽りました。それが、8年以上という長期政権を作り出したのでしょう。ですから、安倍というとすぐに安全保障の人と見られがちですが、経済方面もしっかりカバーしていたと思います。

 ただ、モリカケ問題でみそをつけてしまいました。小生に言わせれば、大した問題ではないのですが、、。森友学園は経営者の籠池泰典夫妻が必要以上に安倍夫妻を利用しようとしたところが問題で、原因は籠池側にあります。あの土地はいわくつきの土地であり、もともと安く払い下げるしかなかった。メディアはあたかも財務省が安倍を通じて籠池に安価な払い下げの便宜供与をしたと思わせるような報道をしたため、火が点いてしまいました。財務省が安倍夫妻に忖度して必要以上にこの問題を隠蔽しようとし、その結果、地方財務局の職員を自殺に追い込んでしまったのは残念の極みですが、、。

 加計問題では、加計学園理事長が安倍氏の友人であることから、四国での獣医学部設立に便宜を図ったのではないかとされ、メディアはこの公私混同が問題だと指摘しました。でも、このブログでも書きましたが、四国に獣医学部が必要であるというのは、愛媛県出身で小生の愛犬の主治医だった獣医さん(本人は北海道大学の卒業)も賛成しており、それほど追及されるべきことではないでしょう。いや、たとえ安倍氏が理事長との個人的な関係から便宜供与を図ったとしても、それは首相という権力者の裁量の範囲内ではないかと小生は思います。多額の賄賂を受け取ったということではないので、それほどの悪意性は感じられないし。

 このモリカケの一連の騒動で、メディアは妻の安倍昭恵さんを厳しく追及しましたが、夫の晋三氏は一度も妻を矢面に立たせず、ずっと妻をかばっていました。自由に生きる奔放な妻を容認していました。小生も安倍家と同様に子供のいない夫婦。で、妻には子供を介さない愛着があり、何かあったら、安倍氏と同じようにかばいたいという気持ちがあります。でも、実際にどれだけできるかどうか。昭恵夫人は晋三氏の遺体に頬を付け、お別れをしたというが、その気持ち分かります。いなくなってみて初めて夫の優しさをしみじみ感じたのだと思います。

 上の写真は、横浜の野毛山公園に咲いていた紫陽花。盛夏の折、季節外れですみませんが、小生は紫陽花の色彩が大好きです。