オリンピック出場を予定していた体操女子の選手が「未成年にもかかわらず、酒を飲み、タバコを吸った」という理由で代表の座から下ろされてしまいました。小生、最初にこれを聞いたときに「えっえー、本当」と口があんぐり。宮田笙子さんは「まだ」でなく、「もう」19歳というほぼ立派な大人の年齢。であるのに、酒、タバコというそんな程度でお咎めがあるのかと驚きました。処分をしたのは日本体操協会ですが、ではその役員の方々にお聞きしたい、「皆さんは20歳までまったく酒、タバコに縁がなく、品行方正に育った方々ばかりだったか」と。
小生自身は子供のころにいたずらで爺さんや父親のタバコを手にしたことがありますが、習慣化することはありませんでした。というか「こんなもの、大人はよくやるわい」と感じていました。ただ、予備校時代につまり19歳くらいのときに、ほぼ同じ年齢の学生たちが授業の合間に吸っていたのを目撃。大人になるには喫煙も必要なのかと思い、恐る恐る始めたものです。でも、煙を大きく肺まで吸うことができず、あくまで真似事程度。そして結婚後、内人から「私まで肺がんにする気か」と咎められ、完全に止めてしまいました。
酒もそれほど強いわけではなかったのですが、飲酒も大人への登竜門と認識して開始。最初はゲロを吐いたけど、やがてタバコに比べて飲んだ後の気分爽快感が忘れられず、習慣化しました。70歳を過ぎた今でも飲んでいるし、自宅の部屋でアルバイト原稿を書いた後、独りで「寝酒」という意味で日本酒、ワインを摂取しています。タバコに比べて飲酒はそれなりに魅力があるので、二度癌に冒されながらも止められない。いや、酒を止めるくらいなら死んだほうがましとまで思っています。今、唯一の楽しみかも知れません。
小生の話はさておき、宮田選手は競技で重圧を感じることからこの2つの”悪弊”に手を出したようです。分かるような気がします。前述のように、小生自身は高校卒業時点、つまり20歳前にもうこの2つの悪弊に接していましたし、ほとんどの人が未成年時代に無縁で過ごしてはいないと思います。だから規則(法律か)を破ってもいいとならないことは十分承知していますが、今回の処分はあまりにも杓子定規、厳格過ぎはしないか。もうちょっと大目に見てあげても良かったのではないかと思います。
オリンピックは4年に一回の競技。つまり彼女にとってもう2度目はないのかも知れません。それを考えると、可哀そうだし、当局側の厳格な処分は残念でなりません。未成年の酒、タバコというのは小生に言わせていただければ、微罪の類いです。別に大麻をやったとか、シャブをやったとかという刑事事件犯でないので、いかにオリンピックであるからと言っても、選手個人の私生活を厳格に管理、追及することもないように思います。「以後二度と止めるように」とかの注意喚起でとどめる程度の、情状酌量の余地があっても良かったかと思います。
でも、記者の習性で今回の事件、何か裏があるような気がしてなりません。ゲスの勘ぐりですが、宮田選手を出したくないという勢力が暗躍したのかも知れません。彼女は恐らく酒、タバコを公衆の面前でやっていたわけではないでしょう。そうであれば、ひそかにやっていた”悪趣味”を誰かが目撃し、ツーしたのでしょう。また、そのツーに協会が乗ったのは宮田選手に反感があったように思えてなりません。いずれにせよ、4年に一度の機会を逃した彼女に同情してあまりあります。
上の写真は、横浜名物の街中の壁画。