つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

給油つぶしのISAF参加論は筋違い

 小生は、「自由と民主」という与党・自民党の機関紙に、何人かの交代でコラムを書いています。以下はつい最近、書いたもので、近く発行される紙面に掲載されると思います。
 −− 自民党の機関紙に書くには恐れ多いことなのだが、民主主義国家であれば本来、二大政党が切磋琢磨し、時に政権交代がありうる姿が望ましいと、筆者は思っている。だが、それには一つ条件がある。二大政党の間で、安全保障政策に関して極端な開きがないことだ。今回、民主党小沢一郎代表が提示した国連を安保の基点に据え、アフガニスタンのISAFに参加するという構想は、残念ながら現実離れしており、自衛隊による給油活動延長を求める自民党の法案をつぶすための策略としか思えない。まさに、政争の具に供するだけの唐突な物言いである。
 よくよく考えてほしい。多くの利害が錯綜した国家が加盟し、それぞれのバックにこれまた対立した大国の影がちらつく国連で、万国が納得できる方向付けなどできるのか。日本自身の国益が明確に守れるのか。「国連中心主義」は、耳には快いが、幻想でしかない。第一、海上給油より危険なISAF参加を、民主党の多くの議員も党支持者も賛成しないであろう。小沢氏個人の論とはいえ、憲法にも抵触しかねない荒唐無稽な論を、特措法の期限が迫ったこの時点に持ちだすのは無責任のそしりを免れ得ない。−−(一部抜粋)
 これを書いたあと、毎月1回の勉強会に出たら、テーマが中国問題ということで民主党衆院議員、吉良州司氏(下の写真で立っている人)も出席していました。メーンプレゼンテーターには申しわけないのですが、これ幸いに小沢論文について吉良氏に尋ねました。すると、民主党の中でも、まだ小沢論に与する者は少なく、実のところ、小沢氏もこのタイミングで持論を出したことに、内心しまったと思っているのではないか−などという感想を話していました。
 小生は、「普通の国」になるなら、ISAF参加は将来的には必要だと思っていますが、インド洋の給油を止めさせるためにこの論を出したとしたら、筋違いだと思います。安全保障を政争の具にしてはなりません。無責任な左翼政党と同じようなことをしては国民の信を失うだけです。