つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

華麗なる系譜だけの首相でいいか

 小生は、自民党の機関紙に定期的に執筆している人間なので、あんまり自民党の悪口はいいたくないのですが、麻生太郎氏が総裁に選出されるのを見ると、やはり「また、同じ轍を踏むのか」という思いがしてなりません。
 というのは、安倍晋三氏は、安保改定時代の首相、岸信介氏の孫、派閥の長で首相目前で病に倒れた晋太郎氏の子息です。福田康夫氏も親父が首相(赳夫)。麻生氏も、母方の祖父が吉田茂元首相、数代前の血筋をたぐると大久保利通につらなり、さらには岳父も鈴木善幸元首相と華麗なる系譜です。なんで、最近、自民党の首相になる人間はそう華麗なる人ばかりなのか、と改めて考えさせられてしまいます。
 安倍晋三氏、福田康夫氏の議員歴は20年未満と、そう長いわけでなく、かといって他を圧するような政治的手腕があるようにも見えません(特に、福田康夫氏の場合は)。それなのに、彼らが選ばれる理由はひとえにその系譜ゆえでしょう。そういえば、3人の前の小泉純一郎氏も、父親、祖父とも首相にこそならなかったものの、閣僚経験者であるし、森喜朗小渕恵三、橋本竜太郎の歴代首相もそれぞれ政治家の二世です。自民党の政策は概してすばらしいのに、なぜか議員は二世、二世ばかり。
 もう一代の政治家では絶対首相にはなれないのでしょうか。そう考えると、ちょっと残念であるし、自民党という政党の硬直性が際立っているようで、不快感を催さざるをえません。職業の世襲化はある種、有利な生活、有利な選択権を子どもに与える条件が出来上がっていることを物語り、社会の固定化に結びつくばかりでなく、貧富の格差の固定化と密接に関連してくると思います。
 選挙制度小選挙区であれば、より世襲化は進むのでしょうか。議員の世襲化は、やはり利権構造の継続となり、すなわち官僚が跋扈する社会となるでしょう。自民党にカツを入れるため、一度、政権交代を求めたいと思う衝動に駆られるのは小生一人だけではないように思います。
 下の写真は、中国遼寧省省都瀋陽市の中心街のロータリー。夏の一夜、毛沢東主席の銅像を囲んで、人民がダンス体操に興じていました。写真を写している小生の後方に、李香蘭がデビューしたといわれる瀋陽の旧大和ホテルがある。