つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

アメリカの凋落の始まりか

 アメリカ下院で、リーマンブラザーズなどへの支援を骨子とした金融安定化法案が否決され、金融不安は、アメリカ一国にとどまらず、世界的なものとなりました。もともと、まともに金など返せない、また返す意思もない人たちに住宅ローンを設定した、かの国の信用創造のいい加減さにあきれますが、そのローンを比較的良好な債権と絡めて世界中に切り売りしてきたことにも本当に腹が立ちます。そのいい加減なサブプライムの住宅ローンだけで、その破綻額は実質100兆円を超えているだろうと言われています。
 アメリカという国は、1970年代初め、金とドルの交換を停止し、スミソニアン体制に移行したあと、あれだけドル札を刷って、世界中にドル札をばら撒いてきました。それでも足りず、国内的には、人に借金を強要し、必要以上の信用創造を図って消費を拡大してきた国。本来ならば、ドルの価値は大下落してもおかしくないのに、軍事力を背景に世界の強国としての格好を見せ、あたかも実体経済にも強靭さがあるように振舞ってきました。
 しかし、今回の信用創造の大崩壊を見るにつけ、アメリカの時代は終わったという感じがします。北朝鮮問題をめぐって、ヒル国務次官補がやたらに金正日当局に迎合的な姿勢を見せていることから判断して、これは彼一人のパフォーマンスでなく、かの国全体の意思が反映したものと推察でき、最近の力の弱さを垣間見せている感じもします。経済的な力の弱さが北朝鮮への姿勢にも表れていると言うべきか。
 アメリカが経済強国からフェードアウトすると、ドルに代わって力を持つ通貨は何だろうか。相変わらず高い価値を持つユーロなのか、原油でしこたま儲けたロシアのルーブルか、はたまた輸出好調の中国の人民元か。日米同盟で経済的にもひたすらアメリカ頼みの日本としては、いずれにしても楽しくない見通しのようです。
 下の写真は、遼寧省の中朝国境にある丹東市の繁華街で売られていたワンちゃん。かわいすぎますね。でも、血統書などないので、値段は50元かそこいらです。