つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

麻生氏の解散会見の滑稽さ

 いやー、麻生首相という人は最後まで笑わせてくれます。というには、先日、衆議院解散のあと行われた記者会見で、彼のネクタイがブルー、背景がえんじのフレアカーテンと、4年前の8月初め、小泉元首相が解散会見をしたときとまったく同じ設定なのです。これは、たぶんに小泉氏を意識し、あのときの迫力に比肩したいと思った証でしょう。
 実は、4年前の小泉会見のとき、小生は中国を旅行していまして、当日見ていませんでした。でも、帰国後、あの会見を見て、さすが演説にたけた小泉氏だと感嘆しました。麻生氏も迫力を出そうと、涙目などを見せたのですが、中身は小泉氏に比べるべくもありません。
 もともと、首相になること自体が目的で、何をやるべきかが分からない人と、郵政の民営化を自らの政治課題として取り組んでいた人(90年代初め、小泉氏が宮沢内閣の郵政大臣のとき、小生も郵政省担当の記者でそのときから小泉氏の郵政問題への取り組みを知っています)とでは、そのテーマのいい悪いは別にして、聴衆に訴える、伝わるエネルギーが違います。
 あの小泉会見で、ほとんどの人は、郵政民営化の本質は何かが分からないながらも、小泉氏があそこまで信念を持って取り組んでいるのなら、やらせてあげようではないかとの気持ちを持ったことは間違いありません。そういう意味は、彼は一流のアジテーターであり、一種のカリスマ性を持っていました。それに比べて今回、麻生首相の涙目にも心底の思いは読み取れず、強いシンパシーは感じられませんでした、残念ながら。
 でも、民主党も危ういですね。この政党はなぜか知らないのですが、社民党との連立にこだわっています。社民党が安全保障にはまったくの無知、いや積極的なサボタージュ意識を持っていることを民主党の諸兄は知らないのでしょうか。安全保障は国の根幹であり、これを危うくしてはなりません。少なくとも、選挙戦を通じて、当面日米軍事同盟は揺るがない、自衛隊による国際貢献はやり続けると言ってほしいと思います。社民党などとつるんで、軍事力の削減、さらには非武装中立などという荒唐無稽なことを言ったとしたら、すぐに窮地に追い込まれるでしょう。
 北朝鮮核武装し、ミサイルを乱射しているときに、安全保障は、国民の隠れた関心事であり、選挙の大きな判断材料になります。それが証拠に、90年代以降、非武装をいう社民党も、軍事力削減を言う共産党も衰退するばかりで、一向に支持率は上がってきていません。無責任性を感じているからです。一度は民主党に任せたいと思う人のほとんどは、安全保障では自民党と同質であってほしいと思っているはずです。
 下の写真も、先日、翻訳会社の暑気払い会で屋形船に乗って品川沖合に出たとき、トワイライトの中、浜松町方面を見た景色を切り取ったものです。