つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

道州制で東北復興はいい案かも

 6日付の日経新聞御手洗富士夫経団連会長が登場し、道州制の早期導入を強く推奨していました。実は、小生も道州制は賛成です。確かに、中央集権体制は明治時代に一定の役割を果たしてきたのですが、現在ではむしろマイナスの方が多いと思います。地域性を高め、それぞれのせめぎ合いの中で国土の均衡発展を図るべき時ではないかと思うのです。
 現在、地方出身の大企業でも、すべて形式的には地方に本社を置きながら、実質的な本社機能は東京に置くというところが多いようです。なにがなんでも東京、すべて東京の気風です。東京はなるほど情報が集まるし、官庁への折衝、商売上の往来が楽かも知れません。
 現時点で合理性を求めれば、東京がいいに決まっていますが、ただ、これは逆に災害が起きたときに危険性をはらんでいることは、誰が考えても分かることです。日本はいったい大丈夫なのだろうかと、今回の東日本大地震放射能漏れの影響を見るに付け、諸外国からも疑問が出ていました。つまり、福島第一原発がもう少し東京に近かったら、日本全体が大打撃を受けていただろうというような。
 こうした一極集中が防災的に危険であるという理由のほかに、東京がすべてという中央集権的な気風を排除し、地方の活性化、繁栄を図る意味からも道州制は必要だと思います。道州の中核都市にそれぞれ役割分担を与え、東京の肩代わりをさせていきます。東京から経済的な部分を剥ぎ取り、大阪やその他の都市に移す。米国だって、欧州諸国だって、中国だって都市は機能別に分かれているので、難しいことはないはずです。
 大企業が本社を福岡、広島、京都、名古屋、仙台、札幌という道州の中核都市に拡散させれば、少しは雇用、消費、景気の平準化は図られるでしょう。それぞれの都市も独自性を発揮し、集中を望む業種や企業に対しては減税措置を取るなどの政策を取れば、それぞれ個性ある都市造りができることになります。
 御手洗氏は、東北復興のために、今こそ先行的に東北に道州制を取り入れ、大胆な規制緩和や税制上の優遇措置を講ずるべきだと主張していますが、確かに大災害を受けて地域的な怨嗟が起きにくい今こそ、東北道州制は納得されやすいでしょう。
  6月最初の週末、山梨県下部温泉に泊まり、翌日、日蓮宗の総本山があることで有名な身延山に登ってきました。身延山久遠寺周辺では、下の写真のように、白装束で「南無妙法蓮華経」の題目を唱える一団に多く出くわしました。