つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

菅降ろしの裏に復興利権争いがある

 今の政局を見ていると、本当に我慢ならない感じがありますね。内閣不信任案を否決したあとも、民主党内では「菅辞めろ」の大合唱でまとまりはなく、相変わらず震災、原発対策は二の次のように感じられます。菅も菅で、もうレイムダッグになったのだから、すぱっと辞めて後任に道を譲ればいいのに思ったりもします。
 ところで、小沢一郎派がなぜあれだけ菅降ろしに精魂を傾けたのか、自民党がなぜ菅降ろしとその後の大連立に意欲を燃やすのか。この時期になぜ、不思議なことばかりですが、ある人から解説を聞いてハハーンと思いました。それは、小沢にしろ、自民党にしろ、40兆円ともいわれる東日本大震災復興の利権にかかわりたいからだと言うのです。ですから、むしろ復興計画ができる前のこの時期であるからこそ、菅降ろしが必要だったのでしょう。
 小沢氏は震災で大きな痛手を負った岩手県が地盤。つまり、彼の支持者である地元の土建屋に仕事を回さなくてはなりません。そのためには、自分を排除する菅を降ろし、自分に迎合的な人を後任に据えなくてはなりません。大連立に意欲的な自民党大島理森氏も、やはり津波の被害を受けた八戸が地盤。これも支持者に回す利権が欲しかったのでしょう。
 震災まで利権にするのかと考えると、あまりにもさもしい感じがしますが、政治家にとってはそれが現実。復興地域は東北、北関東の5、6県に及び、しかも空前絶後の大規模公共事業ですから、政治家と土建屋さんはみすみす手を拱いているわけにはいかないでしょう。だれでもこの利権配分に近づくポジションを取りたい。そのためには菅は邪魔なのです。
 いずれにしても、中央の利権争いによる政争で、被災地の復旧(復興ではなく)、被災民への手当が遅れてしまったら、たまったものではないですね。大正時代、関東大震災のあと、無私で復興に邁進した後藤新平のような人は今の時代いないのか、と嘆きたくなります。
 山梨県下部温泉の中心部にかかる橋。この温泉は、関東地方ではそこそこ知られた温泉宿ですが、先般、身延山登山の折、泊まったところ、土日にもかかわらず、宿泊客が少なく、営業を取りやめているホテルも散見されました。ある宿の主人に「これは大地震の影響ですか」と聞いたところ、「いや、それ以前から。小泉政権のころからこちらの景気は悪くなっている」との返事でした。