小生はＮＨＫの大河ドラマファンなので、日本で生活しているときは必ず一年通して見るようにしています。ですが、残念ながら、今年の「江」は見ていません。最初は見ていましたが、出演者のあまりにもお粗末な演技とおちゃらけた演出を見てがっくり、途中から、確か秀吉が光秀を打ち負かした話の辺りから、辞めてしまいました。こう言っては酷ですが、史上最悪のできだと思います。
このドラマの最悪なのは、ヒロインの上野樹里の演技のへたさ加減です。同じ脚本家の手による、薩摩のお姫さまが幕末に江戸城に入る「篤姫」の方がはるかに面白かったように記憶しています。上野樹里の演技は一本調子で、視聴者から見ると、まるで感情移入ができません。どうしてこんな女優を主役に抜擢したのでしょうか。
加えて、三姉妹の次姉役をしている水川あさみも今いち女優なので、2人が掛け合いの演技をすると、本当に学芸会になってしまいます。宮沢りえちゃんはまあまあですが、それでもあの淀君を演じるにはちょっと迫力不足の感は否めません。内人が今でも見ているので、たまに付き合って部分的に見ることもありますが、3人の女優の演技は春ごろの年少時とさっぱり変化がなく、年齢に合わせる演技ができていないようです。篤姫の宮崎あおいの方がはるかに年齢に合わせた重厚な演技をしていたと思います。
さらに、このドラマで許し難いのは、脚本が現代風すぎるという点。脚本家は意識してそうしていたのかどうかは知りませんが、時代劇好きには付いていけません。肝心の秀吉役の岸谷五朗も天下人としてはあまりにも軽薄すぎる役づくりをしており、結局、これがさらにドラマ全体を薄っぺらなものにしてしまっています。
江と秀吉の関係もヘンに描いていますね。すでに天下人になっている秀吉に向かって「サル」などと大勢のいる前で呼び捨てにするものでしょうか。考えられないことです。これ一つとっても、時代考証のお粗末さを露呈しているようで、とても見られたドラマではありません。
下の写真は、上海の定宿リンロンホテルのフロント風景。昼間は3人くらいの女性が一人ずつ交代で座っており、小生は3人とももうすっかりなじみになってしまいました。
