つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

「ばかやろう」連発の日本軍ドラマばかり

 中国を旅行すると、中国語の勉強も兼ねてヒマな時間はなるべくテレビを見るようにしています。政府系の中央電視台(CCTV)だけでも音楽、娯楽、歴史、自然描写、外国語放送、映画放送、連続劇放送など10チャンネル以上あり、さらに地方の一級行政区のテレビ局がそれぞれ制作した番組を衛星で各地に発信していますので、どんな田舎に行ってもフリーで60−70チャンネルが視聴できます。
 バラエティー番組は概して、日本の番組をパクったようなものが多いのですが、今回印象的だったのは、若い素人の男女に対し出会いの機会を演出するような番組がどの局にも見られたことでした。一応中国語の教師をしている小生はなるべく勉強のつもりで、中国の生活を実感できる連続劇を見るようにしています。下に一字一句漢語の字幕が付きますので、音で理解できない場合は、字幕で助けられるのも好都合です。
 連続劇の内容は恋愛もの、家族もの、時代劇、戦争ものとまちまちですが、中でも絶えず放映しているのが、1920−40年代の日中戦争時の日本軍の残虐な光景などが登場する反日性の強いドラマ。チャンネルサーフィンでこうしたドラマに出合うと、小生は勉強のつもりでなるべく見るようにしてます。
 史実と100%違うとは言いませんが、その表現方法には誇張を感じますね。やはり、共産党による愛国主義昂揚のプロパガンダの一環という感じがします。勘ぐれば、腐敗で厳しい批判にさらされている共産党への批判をかわすために、意図的に外国に敵を作る必要があり、その最大の”役目”を日本が担っているということでしょうか。日本は今では、他国からどんな仕打ちを受けても攻撃されても反撃しない国ですから、サンドバッグにはちょうどいいのでしょう。
 でも、毎日毎日、日本軍が暴虐の限りを尽くすこんな映像を見せつけられたのでは、今の若者が日本を好きになることはありません。かなり、知識程度の高い人はネットで彼我の関係を見比べ、現在の日本を理解していますから、必ずしも反日にはなりませんが、ちょっとレベルの低い人たちは、連続劇のイメージ通りの日本が今でも存在すると認識し、日本嫌い、いや日本たたきにのめり込んでいってしまうのでしょう。
 「ばかやろう、早くやれ」「飯だ、飯を出せ」などと日本軍兵士の格好をした中国人がたどたどしい日本語で中国人に命令したり、軍服や和服を着た日本人役の出演者が流暢な中国語で、日本について語ったりするシーンがあると白けてしまいます。もういい加減にこんなステレオタイプの日本軍劇はやめてほしいのですが、でも共産党政権はやはり攻撃対象が自らに向かうのを防ぐために、やり続けるのでしょうね。中国は、なぜ日本の現状、いや未来の日中関係発展のために目を向けようとしないのでしょうか。中国好きの小生にしては、悲しい現実です。
 下の写真は、中国黒竜江省の中ロ国境の町、黒河の繁華街街角で撮った一枚。きれいな格好をしたお嬢さんが愛犬を小生に見せてくれました。こんな辺境の町にも、都会風のお嬢さんがいたことは驚きでした。