つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

消費税反対で「風」は吹かない

 来週26日に消費税法案が衆院で採決されますが、与党民主党内で造反が増え、同法案が葬られる可能性が高いことが今朝の新聞で報じられました。内閣が提出した法案が否決されたら、これはメンツから言っても、野田首相は解散に打って出るでしょう。先の選挙から丸3年もたたないうちに早くも再び総選挙ということになりそうです。
 それにしても、民主党の造反派は何を考えているのでしょうか。小沢一郎などの政局屋に乗せられて本当に法案に反対票を投じ離党して新党を作るのでしょうか。まったく、先の読めないばかばかりですね。小沢にくっついている連中はもともと前回の「風」で上がってきた人が多く、次の選挙で当選の可能性はほぼ皆無。そこで、新党に移って新たな「風」でまたまた舞い上がりたいということでしょうが、今回は「小沢風」など吹きません。また、万万が一、当選できたとしても小沢新党は少数政党にとどまり、これまでのいきさつから言っても、どの党からも相手にされない存在になるでしょう。
 造反派は「消費税の増税をする前に、やるべきことがある」をスローガンにしています。でも、これってよくよく考えるとおかしくありませんか。民主党政権になってすでに3年近くたっているのですが、執政初期は鳩山首相小沢幹事長体制でした。当時、小沢氏は党の重鎮であり、このときに「やるべきこと」をやろうと思えば小沢氏はできたはずでしょう。自分が政権担当していた時にできなかったものを今、野田政権に迫るというのは大いなる論理矛盾です。
 「やるべきこと」の道筋を小沢一派は示してこなかったし、今でも示そうとしていません。今さら、国家予算には無駄遣いが多いからもっと節約できるはずだなどの理由では説得力を欠きます。つまり突き詰めていけば、小沢一派には「やるべきこと」の中身がわからないし、明確に言える人もいないと思うのです。反対のための反対では、ほとんどあの無責任政党の社民党と変わりません。かつて消費税反対を唱え、目先の利益に左右されがちな主婦をたぶらかし参院選で勝利し、「山は動いた」などと称した土井たか子と変わりません。
 だれだって、増税はいやですよ。できればやりたくない。しかし、ギリシャのように国がつぶれるかどうかという視点を忘れて、消費税反対を唱えるのは政治家としてはなはだ無責任です。今回ばかりは「駄目なものはダメ」という無内容な土井流のアジテートは通用しません。なぜなら、今、将来の国家、国民のために消費税は必要だという国民が5割を超えています。小沢一派が「消費税反対」という甘い言葉で選挙民を弄し、なんとか当選しようとしても、選挙民はもっと冷静に国の行く末を見ているはずです。造反して選挙になって一番困るのは小沢一派でしょう。
 下の写真は、香港・香港島の南側にあるレパルスベイ(浅水湾)。駐在時代、この海浜レストランでビールを飲みながら夕陽が落ちるのを眺めていました。ノスタルジーで訪ねてみました。