つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

高所得税なら個人もグローバル化する

 先週末から5日間ほど、香港に行ってきました。ですから、このブログを書くのも一週間ぶり、一週間のご無沙汰になってしまいました。ある人が香港の休眠会社を利用して新しく会社を立ち上げたいので協力願いたいとの要請があったことから、現地に同行しました。小生にとっては3年ぶりの香港で、ノスタルジックで楽しい旅となりました。
 3年の変化についてまず書きます。行き帰りの飛行機が意外と満席であったことにまず驚きました。羽田空港の離発着ですから成田に比べ利用客が多いのかなと思ったのですが、どうもそうでもないらしい、香港便は成田からでも結構混んでいるそうです。日本の諸企業は、上海や北京に経済活動の拠点を移すことで、香港への比重を相対的に減らしているのかと思ったら、むしろ逆で、「中国のように人治でなく、法の支配が行き届いている香港の魅力がより増してきた」との情報を現地の実業家から入手しました。
 この実業家の話を裏付けるように、会計事務所に聞くと、最近、日本の企業で香港に会社を作るところが多くなっているそうです。中国ではいろいろ面倒くさい。企業の金の出入り、企業への所得税の問題、さらには儲けの送金の問題などで監視が厳しく、申告しないとどんな報復があるかもしれない。ですから、取引の金の出入りは香港企業で行い、大陸での営業規模を縮小すれば、大陸の税務局の捕捉もしにくくなると考える企業があっても不思議ではありません。
 個人的なことを言えば、小生も香港在住時代から香港上海銀行HSBC)の口座を所持しており、今後、大陸でのビジネスでもこの口座を利用しようと思っています。日本の銀行口座は海外から金の送金があると、「この金は何の金だ」「どういう目的か」などとしつこく聞いてきますが、香港の銀行はそういう煩わしさがないようです。でも、小生にとって実際に、大陸で金儲けし、香港に送るほどになるかどうかについては、はなはだ心もとない限りですが、、。
 香港で会社立ち上げはそれほど難しくありません。また、儲けが出ても、所得税は16−17%程度の税額で済みますので、40%以上取られる日本とは雲泥の差があります。さらに、180日以上香港に住めば、個人は日本で税務申告する必要もないそうで、ある人に聞くと、結構日本の金持ちで香港に暮らしている人は多いそうです。そんなことを書くと、日本の税務当局は目くじらを立てそうですが、本当のことなので致し方ありません。高額の課税というのは、結局、企業と同じように、金持ちをグローバル化させてしまうということなのですね。
 下の写真は、香港のカオルーンサイドから見たビクトリアハーバーと香港島の夜景。100万ドルの夜景はいつ見ても感動します。