つれづれなるままに-日暮日記

現世の森羅万象を心に映りゆくままに書きつくる。

維新とたちあがれの野合はやはりおかしい

 昨日大学に行く車中で、隣の2人連れの男性が今度の選挙や政党の離合集散について話していました。横浜から市川までの横須賀・総武快速線ですが、朝なので東京駅を越すと乗客は少なくなり、隣の人の話し声も聞こえてしまいます。それはともかくとして、彼らが言うには、大阪維新の会石原慎太郎氏と組んだのはまずかった、あれで橋本人気の勢いはなくなったよねという内容でした。小生も盗み聞きながら、思わず「その通り」と叫びたくなる感じでした。小生と同じ感覚を持つ人は結構多いんですね。
 平たく言うと、石原氏はともかく、同氏と一緒に最初に太陽の党を作った元「たちあがれ日本」の議員たちはビッグガバメント志向です。郵便ネットのユニバーサルサービスの必要性を訴え、小泉首相に抵抗した議員たちのグループですから。それに対して、維新の会は明らかにスモールガバメント志向。日本の伝統や文化を大事にする、そのために国防の必要性を訴えるという視点では一緒かも知れませんが、ガバメントの大小の方向性は結構大きな問題で、一朝に解決できるものではありません。
 それなのに、石原氏は「細かい政策は選挙の後で」などと言って橋本氏を説き伏せ、橋本氏もそれに乗ってしまいました。雑誌「選択」を読むと、この橋本−石原野合に対し、元祖大阪維新の会の地方議員はかなり反発しているようです。石原氏自身は、これまでのテレビなどの発言を聞く限りでは、どちらかというとスモールガバメント志向ではないかと思われるフシがあります。でも、平沼赳夫氏らの「たちあがれ」は明らかに反対方向ですね。ですから、石原氏がなぜ最初に平沼氏らと合体することにこだわったのかは分かりません。
 「たちあがれ」は、TPPに反対だし、政党・団体からの政治献金には賛成だし、憲法改正を含めてあまり自民党の政策と変わりません。特に保守色が強い安倍総裁であれば、なおのこと近いという感じがします。ですから、「たちあがれ」はむしろ自民党に復帰した方がよかったのではないのですか。今度の選挙は、解散直後の事前世論調査を見ても自民党圧勝ムードがあったのですから、こちらの方が賢明です。
 平沼氏はなぜ石原、橋本との提携を求めたのか。これが分からないんですね。みんなの党は、たちあがれグループが入らない、石原−橋本だけの合体だったら、たぶん彼らとかなり深い提携話になっていったかと思います。「みんな」はあきらかにスモールガバメント志向であり、維新の会とは軌をいつにしていますから。
 車中の2人の話ではないですが、小生も同じことを思っているのですから、かなりの人が維新の会には裏切られたという思いがあるでしょう。やはり急な解散で、選挙日程に読みの狂いが生じたのだと思いますが、それにしても維新の会は慌てふためき、目の前の野合に走ってしまい、とてつもなく損をした感じがします。
 下の写真は、バンコクの中華街のレストランで、一人わびしく火鍋を食べる小生。野菜も肉も魚類もあまり注文しなかったですから、ビール一本飲んでも値段は1000円ちょっとでした。